黒百合の騎士 (フラワーコミックスアルファ)
「山猫天使」がシリーズ化され、うれしい限りです。
史実にも沿っているので、まだまだ続く…のですよね?
モレ候とラファエル・ガブリエルの関係には、
「シャルトル〜」のレオン皇太子とミカエルの関係が再現されている
ように思うのですがいかがでしょう??
こちらの「ミカエル」は男女分離しているので、
モレ候と双子がみんなお互いちゃんと好きで、ある意味お互い五分五分、という
正三角形関係ができているのと、モレ候がレオンよりしたたかなので、
安心して見ていられるというか(^^;。
続きは雑誌連載中ですが、次巻が待ちきれない感じです。
マンガ 皇妃エリザベート (講談社+α文庫)
麗しのオーストリア皇妃、エリザベートの生涯を漫画化。
美しい女性を描く作家さんですし、それなりの厚みもあり、
表紙の「マンガ」という冠に苦笑しながらも買ってみました。
型に嵌らぬ野生的な美少女が若き皇帝からの求愛を受け、
一王族から皇妃に登り詰める波乱の人生を巧みに描いています。
シルヴィ・ギエムが踊るバレエ、「シシィ」でも知られる彼女ですが、
相思相愛での結婚であっても、その立場上幸せとは直結しない…という、
まるでどこかの皇室を思わせるようなストーリー。
皇帝の回想録として描かれており、彼の愛には同情するのですが、
エリザベートが皇帝からの求婚を断れない立場である以上は、彼の方が
本当に愛しているなら野の花は野に置く決心をすべきだったとも思います。
エリザベートが凶刃に斃れる場面があまりに簡略化されており、
この事件だけで組まれた1時間番組を見た記憶がある為か、
もう少し「紙一重で助かったかも」というな描き込みをして欲しかった。
あと、親切に家系図がついているのですが、どうせなら
「第何代皇帝」をつけるか、統治者年表をつけるかして欲しかったと…。
それでも読み応えのある作品である事に変わりはありません。
池田理代子氏の「エカテリーナ二世」と同じく、
封建的な時代に個を貫いた女性の生き様として、現代女性の共感をも呼びます。