シネマ~フォーエバー・ベスト~
このサントラのオムニバス、なかなかいい。なんといっても、ティモシーBのソーマッチインラブが最高だ!この曲のカバーは数多いが、ティモシーのカバーは素晴らしい。実にセンスが良い。ハーモニーが洗練されていて、何度聴いてもソーマッチな感じなのだ。
ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生
若い頃の夢を追いかけて愛する妻ともがき苦しみながら、ギタリストとして一つ一つ上っていく中での喜び。
やがてロックスターとして莫大な成功とその光と影、そして妻や子供との溝。
成功の裏側で屈辱をかみしめ、もはや昔には戻れない現実がどこかほろ苦いエンディング。
筆者が小学生のとき「呪われた夜」に魅かれ、中学生で「ホテルカリフォルニア」にのめりこんだイーグルス。
数少ない情報源はミュージックライフ誌やFM誌での短信くらいで、メンバーの素顔などは想像の彼方にあるものだった。
本書で語られるメンバーの姿には、幼い頃のヒーローの夢が打ち崩されたとも言える衝撃的なものでもある。
イニシアティブを持つ者(ヘンリー、フレイ)がその莫大な事業を推し進め、それに従わざるを得ない他のメンバーとの関係はどこかサラリーマンの悲哀すら感じさせる。
読後に改めて久しぶりに70年代の傑作群を聴くと、自分の中の「ラストリゾート」が実はそうでなかったと気づき、今までとはどこか違った音がした。
書籍としては、散見された誤植やイマイチなカバー(原書のほうが素敵)など残念な部分もある。
でもよく和訳を出してくれたと感謝。(ドンフェルダーでは売れないだろうなぁ。)
Desperado
1973年発表の2nd アルバム。イーグルスが最もイーグルスらしい作品。表題曲を始め、「テキーラ・サンライズ」「ドゥーリー・ダルトン」と名曲揃い。寂寥とした西部の風景にちょっと暗いこの人たちの個性がはまっています。プロデューサーのビル・シムジクの力も大きいのでは。
Hotel California
別のレビュアーの方が指摘されているように、今ではレア化して入手困難なDVD-AUDIO盤をも凌駕する仕上がりになっています。
実際、それまでのCDに比べると、DVD-AUDIOはふっくらとした艶があり、魅力ある音でした。
好みの問題もあるかとは思いますが、今回のSACDは音の情報量を残しながら、輪郭をよりシャープにして、引き締めた印象です。クリアで抜けもいい。
それでいて、ハイハットの音やギターのハーモニックスも耳にも優しく響きます。
タイトル曲は、あの独特のベースライン、ギターのハーモニー、少し震え気味のヴォーカルが分離しながら、しっかり一体感を持って耳に迫ってきます。
(それにしても、この曲、何百回聴いても飽きないのが不思議です)。
エンディングを飾る「Last Resort」は、胸に迫るドン・ヘンリーの名唱がいつまでも余韻を残します。
本盤のCD層は聴いていませんが、もう普通のCDには戻れないし、ましてiPodで聴く気にはなれません。
価格もこれならOK、帯のどこを見ても初回限定という文字がないので、これはいつでも買えるSACDになるのでしょうか。
音楽パッケージという共有資産を身近に残すためにも、そうであって欲しいと思います。
ムービー~ザ・ベスト~
古今の名曲を1枚にまとめているのですが,いずれも映画中の
印象的な場面で使われている曲が多いのが特徴です.『ローズ』
の哀切さに涙を流したことや,『君に想いを』の哀愁を誘うよ
うな旋律と歌など,もう一度その映画を見たいという気持ちに
なります.収録されている映画のほとんどを,ちょうど多感な
時期に見たためでしょうか,CDを聞くことで同時に映像さえも
甘いあるいは苦い思い出と共に記憶の底から呼び起こしてくれ
ます.ジャケットのデザインも収録曲に合うイメージです.
おすすめの1枚.