ゴルゴ13 (Volume18 スエズの東) (SPコミックスコンパクト)
『アーリィ・オータム(後編)』『スエズの東』『魔女の出て来た日』『ジェット・ストリーム』『幽霊定期便―ゴースト・ライナー―(前編)』収録。
サブタイトルにもなっている『スエズの東』。ゴルゴへの依頼は、砂漠での400メートル先の直径10センチの印。
だが、その標的は、存在しなかった。本当の標的は……。
『ジェット・ストリーム』。ハイジャックされた飛行機に、ゴルゴ13が乗っていた。
ゴルゴを使って、事件を解決したいMI6のヒューム部長は、どうやってゴルゴに仕事を依頼するのか。
映画を観ているような、ドキドキワクワクが、文庫サイズで楽しめる。
水ビジネスの現状と展望 水メジャーの戦略・日本としての課題
水ビジネスに関する類書が増えた。しかし、水資源や水質汚濁に多くのページが割かれていたり、ビジネスという観点が欠落していたりして、知りたいと思うことがまったく、あるいはわずかして載っていない本が多い。本書はまさに水ビジネスに特化した内容になっていて、ようやく求めていた本にめぐり合ったという思いだ。おもに日本と海外の上下水道事業の実情、水メジャーの実態・海外展開が解説されているが、刮目すべきはわが国の上下水道の経営実態を白日のもとに晒したことだ。足元の経営がどんぶりでは、海外展開など夢物語であることが本書を読むと実によく分かる。
スエズ運河を消せ―トリックで戦った男たち
第二次大戦、アフリカ戦線。智将ロンメル率いるドイツ機甲師団に対してトリックで翻弄した手品師がいた。港を動かし、運河を消し、部隊を出現させる。彼とそのチームの活躍を描いたノンフィクション。
登場人物
ジャスパー・マスケリン……英軍の工兵隊に入隊したマジシャン
フランク……動物の擬装行動学を専門とする、心やさしい大学教授
マイケル……若くてハンサムだが、無作法で荒っぽい二等兵
ネイルズ……きまじめな大工。手先の器用さは誰にも負けない
ウィリアム……『パンチ』誌で活躍したひょうきんな漫画家
フィリップ……陰気な芸術家。上等兵として中東で生活した経験がある
ジャック……規則を厳守する堅物の軍人。陸軍上層部に顔がきく
このキャラクター紹介だけで十二分に中ニ男子心を掴みまくり。完全に『Aチーム』のBGMが聞こえてますよ!
以前、ヒストリーチャンネルの番組を見て以来、彼のキャラと物語に一目惚れ。一時期、映画化する話が持ち上がったから訳されるのを期待したんだけど、流れたのか、ようやく発刊。
実は、彼の功績はそこまで効果はなかったとか、ゴーストライター(自伝の)による創作に依る部分が多いとか、史実としては疑わしい説もあるみたいなんだけど、虚実がわからないなんて、面白ければ手品らしくて、いいじゃない。
それを踏まえても、やはり面白い。
アラブ部族長老との魔術合戦。戦車をトラックに見せかける、サンシールドの開発。アレキサンドリアを移動させ、スエズ運河を消すイリュージョン。エジプト宮殿でのスパイ活動……などなど、どのエピソードも心躍る。
下手なチームものは、影が薄くなっちゃうキャラがたいてい出てくるものだけど、この作品においては、マジックギャングの面々はそれぞれキャラ立ちしており、印象的な描写が用意されている。個人的には、闇市場にさえ領収書を要求する堅物のジャックがお気に入り。
また、別れ、危機、恋、とエンタメに必要なものは揃っていて、そういう意味でますますノンフィクションという印象は薄い。
戦史ものの興味なくても、チームミッションものとして、オススメ。