サクリファイス
作詞 菊池成孔 作曲 渋谷慶一郎 という、日本屈指の音楽家が作り上げた最高品質のJ−POP。音の密度がとにかく半端無いにもかかわらず、曲はどこまでも
ポップでキャッチーである。こういう曲を聴くと、いかに今のJ−POPシーンがやばい状態なのかをつくづく思い知る(カウントダウンTVを見よ!酷いカラオケが溢れている)。
才能溢れるおもしろい人達がどんどんJ−POPを作ってくれれば、韓流だとかそういうの全く関係なくなるのにね。とにかく渋谷慶一郎の仕事にリスペクト!(この前の相対性理論とのコラボもめちゃくちゃすばらしかった)。
ノスタルジア [DVD]
主人公が温泉場でローソクを運ぶ場面が大好きです。初めて、この場面を観たときは、本当に呼吸をするのを忘れたぐらいでした。タルコフスキーの映画の人物は、無神論者も、絶望している人も、何かに「祈り」をしているように思えてなりません。直接、関係ありませんが、ずっと前に大江健三郎の講演のカセットテープを買ったのですが、そのタイトルが「信仰なき祈り」でした。
密室のサクリファイス
まだそれほど進んでいるわけじゃないですが先のレビューが気になるので誤解のないようレビューを・・・
パッケージを見る限りギャルゲーですがあくまでも脱出ゲーなので苦手な人は購入注意です
一人一人の視点ごとに物語は進んでいきテキスト→脱出→テキストという感じで一つのチャプターが終わります
脱出部分ですが、気になる部分はカーソルが変化する仕様なので脱出ゲー経験者からすれば親切仕様ではないかと
カーソルスピードはコンフィグで切り替えられます
スピードが早くてうまくポイントが合わせられない人は一番遅くしましょう
それとミリ単位でポイントを動かすのは普通ですよね?10分の1ミリ単位で動かせというならキツいですが(笑)
先に述べた様にカーソルが変化するのでまず問題ありません
シナリオもなかなか先が気になる展開でアドベンチャーとしても面白いです
マルチエンディングとのことなので一周で終了ということもなさそうです
ロードも気になりませんし
ただ注意点としてこれは脱出ゲーなのでいわゆる『つみ』の状態に入る可能性があります(序盤でも悩んだ場面が・・・)
なので最終手段として攻略掲示板などを参照出来ないとなげることになるかと思います
サクリファイス (新潮文庫)
’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第5位、「このミステリーがすごい!」国内編第7位にランクインし、’08年度「第5回本屋大賞」でも伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』に次いで第2位になった近藤史恵の書き下ろしベストセラー小説の文庫化。大薮春彦賞受賞作でもある。
主人公の‘ぼく’こと白石誓(しらいしちか)は、プロの自転車ロードレースクラブ「チーム・オッジ」の若手レーサーだ。前半、彼が語る自転車ロードレースの世界は専門用語が飛び交い、あまり馴染みのない世界だが、それでも「ツール・ド・ジャポン」レースを通して、チームの<エース>とそれを勝たせるべく走る<アシスト>というものがあることなど、特殊な競技の本質や、チーム内の複雑な関係の理解が深まると同時に、興味を持って読み進むことができる。
そして、後半、ベルギーの国際大会のレース中に惨劇が起こる。終盤、物語は一気に加速して結末のドラマは二転三転する。真相に至るまでの結末の展開はサスペンスフルであり、さすがはミステリーランキングの上位にランクインしただけの作品である。
大作が多い中、全体のボリュームも程よい長さで、文章にも疾走感があって、まさに自転車ロードレースさながらで臨場感たっぷり。本書は、まさに青春スポーツ・サスペンスの逸品である。
フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂幸太郎13冊目の本書は、デビュー直後に書いた短編から、今回書き下ろした中編まで、四つの物語からなる作品集である。
「動物園のエンジン」―デビュー長編『オーデュボンの祈り』のような不思議な雰囲気のある短編。
「サクリファイス」―あの黒澤がスピンオフで、この中編では主人公として登場する。ある寒村で昔から伝わる“こもり様”の風習を、伝奇ミステリー風の道具にして、“本格パズラー”っぽい物語に仕上げている。
「フィッシュストーリー」―表題作。私は本書でこの短編が一番好きだ。ふとした偶然(!?)が、40数年を隔てたところで意外な影響を及ぼす物語なんて、いかにも伊坂幸太郎らしい。
「ポテチ」―本書のための書き下ろし中編。黒澤が今度は脇役で登場する。書下ろしらしく、随所に仕掛けられた伏線を、ラストでいかにも“伊坂ワールド”らしく収斂させる手腕はさすが。
今回収録の作品はいずれも独立した話で、書かれた時期も、テイストもまちまちなので、一冊を通して楽しむということはできなかったが、それでも、とりわけ後半の2作品は、ファンとしてじゅうぶん“伊坂幸太郎の世界”を堪能することができた。