幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
美冬は筋金入りの「悪」である。
そして女であることが余計にその怖さに拍車をかける。
それだけに非人間的にさえ感じる彼女のバックグラウンドは
読者は絶対気になるところだが、結局その部分が明かされぬまま
だったのが残念。
白夜行 完全版 DVD-BOX
作者はミステリーの服装を着せて究極の男女愛を描きたかったのではなかろうか。
溺れた肉体関係でもない、ありふれた恋愛模様でもない、単なる夫婦愛でもない切っても切れない絆と永遠の愛を描きたかった。ミステリーとして観た場合、現実的にはうまくいかない場合がありすぎて即逮捕になるだろうが、純愛ドラマとしてみた場合一級の作品である。綾瀬はるかは演技の稚拙さが目立つが、それを余って悪女を演じるにふさわしい存在感と太陽の優雅さを醸し出しており見どころである。図書館の女性はこの物語の重要人物でただ一人白夜の外側で主人公の二人にかかわってきた人物であり、最終回での雪穂との会話は実に感動的である。またそれぞれの場面における音楽の美しさと演出はすばらしい。近年稀に見る一流のドラマである。
TBS系ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック
何気なく見始めたドラマ「白夜行」ですが
どんどん引き込まれて毎回欠かさず見ています。
映像も綺麗ですが、なによりBGMが素晴らしい!
切なさや悲しさを引き立てるビアノの旋律に心を奪われて
初めてサウンドトラックCDというものを購入しました。
ドラマのクライマックスシーンでよく流れる音楽が一曲目に収録されています。
白夜行 (集英社文庫)
東野圭吾さんは大好き。これも初めは非常に引き込まれ
寝食も忘れて読んだほどでした。
が・・・・
なぜでしょう、読んでいる最中から、とてもきつかった・・・・
重たいものがのしかかり、いやな気分にさえさせられることもありました。
特に後半からラストは、気分が悪くなるほどでした。
面白いか面白くないかと問われれば、確かに面白い(世界に引き込まれます)
ですが、読後感は最悪でした。
歪笑小説 (集英社文庫)
<未読の方へ>
本作の感想の前に一つだけ。
前作『黒笑』の登場人物がけっこう出てくるので、これを読むか迷っているなら、
とりあえず『黒笑』の「もうひとつの助走」〜「選考会」だけは読んでから、
この本に進むことをおすすめします。
『怪笑』『毒笑』とは繋がっていないので、『歪笑』を読むにあたっては、
この2つはパスしても問題ないです。
<感想(読後の方だけお読みください)>
この『歪笑』は単なるギャグ小説に終わっていないのが良いです。
作家や出版社や編集者などなど、本に携わっている人々の日常を、おもしろおかしく描いているものの、
けっこうリアルな部分も多いと思います。
1冊の本を作り上げるために、それに関わる人たちがどれだけ苦心しているのか、
すごくよく伝わってきます。
基本的にはギャグ小説で、途中・途中に出てくる微妙な表現やセリフが笑えますが、
ラストに感動できる話も多くて、それがすごくジーンと来ました。
「読書が好き」「本が好き」という人に、ぜひ読んでもらいたいなと思える内容でした。
登場人物に触れると、『黒笑』のときから熱海が好きでしたが、今回もおもしろさ健在!
まさか『撃鉄のポエム』の続編が出るなんて(笑)。
『銃弾と薔薇に聞いてくれ―撃鉄のポエム2―』が、『撃鉄2』と略されているのが妙にツボでした。
その他、今作では編集者たちが大活躍で、そのあたりも見どころ。
ギャグっぽく書かれているけど、「作家から原稿を得るのに本当に苦労しているんだろうな」
というのが伝わってきます。
それと登場人物と言えば、実在の作家さんをモデルにした人がたくさん出てきて、それもおもしろい。
東野さんは本当に大沢さんと仲良しなんだなぁ、というのがわかります。
(玉沢って・・・笑)
書き下ろしの巻末のオマケもウケました。
唐傘ザンゲ『魔境隠密力士土俵入り』を読んでみたい(笑)。
東野さんのシリアスな作品ももちろん大好きですが、このシリーズも本当に好きなので、
ぜひぜひ続けてもらいたいと思っています。