GP
グラム・パーソンズには純粋さというか、憧れ、
みたいな気持ちを強く感じます。
「俺は一味違うよ。カントリーを誰より先駆けて
ロックにしたよ、くわしいよ」
なんてマニアな視点が感じられなくて、むしろ
幼稚園児の女の子が、年上のおねえさんの洋服を着て
姿見に自分をうつしてニコニコしてる、
そんな風情のイノセントさを、ひしひし感じてしまうのです。
このアルバムにもそんな、無邪気で心の自由な男、
グラムの魅力が、たくさんつまってます!!
歌がちょっとヘタっぴ気味なとこが、よけいに
彼に愛着を覚えさせます。
言わずもがな、の知識ですが元バンド仲間の
バーニー・リードンが「マイ・マン」という曲を、
イーグルスの「オン・ザ・ボーダー」でグラムの死後即座に
捧げています。
とても気持ちのこもった名曲です、
グラムにハマッた人は一度聴いてね!!
リターン・トゥ・シン・シティー「ア・トリビュート・トゥ・グラム・パーソンズ」 [DVD]
2004年7月10日にロスのユニヴァーサル・アンフィシアターで行われたG.パーソンズへのトリビュート・コンサート、106分。ローリング・ストーン誌で★5つを獲得した1999年の名トリビュート盤「Return of the Grievous Angel」とメンツが重なるのはSteve Earleだけ。Keith RichardsとNorah Jonesが目玉です。パーソンズ好きを公言しているElvis Costelloが参加していないのはいいとしても、Emmylou Harrisぐらいは参加して欲しかったな。収録曲は以下の通り;
・Six Days on the Road/Sin City All Stars
・Big Mouth Blues/Jim Lauderdale
・Drug Store Truck Driving Man/Jay Farrar
・Devil in Disguise/Jay Farrar
・Hot Burrito No. 1/Raul Malo
・Still Feelin' Blue/Jim James
・Hot Burrito No. 2/John Doe
・We'll Sweep Out the Ashes in the Morning/John Doe&Kathleen Edwards
・Do Right Woman/Susan Marshall
・Do Right Man/Susan Marshall
・Luxury Liner/Steve Earle
・My Uncle/Steve Earle
・Sleepless Nights/Lucinda Williams
・A Song For You/Lucinda Williams
・Wheels/Dwight Yoakam
・Sin City/Dwight Yoakam
・She/Norah Jones
・Love Hurts/Keith Richards & Norah Jones
・Hickory Wind/Keith Richards
・In My Hour of Dark-ness/Susan Marshall & The House of Blues Gospel Choir
・Wild Horses/All
・Ooh Las Vegas/All
グリーヴァス・エンジェル
前作以上にグラム・パーソンズとエミルー・ハリスの圧倒的な力量の歌が全面に出た、大名盤です。カントリー・ロックはもちろん普通のアメリカン・ロックが好きな方にもおすすめです。
朗々と歌うグラム・パーソンズとパンチのあるエミルーのドュエットは独特で、非常に贅沢感があります。時代を超えた名盤でしょう。
Grievous Angel
カントリー・ロックの達人による最高の2枚のカップリングです。大変なお買い得品です。
でも・・・とりあえずは、コテコテのコアなカントリー・ロックのファンや、ゲスト参加で大活躍の才媛エミルー・ハリスのファン以外にはあまりおすすめしません、と言っておきましょうか。
個人的には後半の作品が素晴らしいと思います。グラム・パーソンズこそカントリーを歌うために生まれてきた人なのでしょう。この人独特のブラック・チョコレートな声はハマると抜けられない魔力があります。
超気持ちイイですよ。
彼の作品は、全般的に明るく軽快な郷愁ムードなのですが、決して軽薄で俗に落ちない、筋金入りのカントリーの品格のようなものを感じさせます。
聴けば聴くほどに素晴らしさを実感する作品ですよ。特に圧巻はケベックでのライブで、バーズ時代の「ヒッコリー・ウインド」をエミルー・ハリスとハモっているところ。これは心に沁みる最高の瞬間です。この2枚はドュエット・アルバムとしてもかなりの出来です。
グラム・パーソンズの生涯 ~ フォールン・エンジェル [DVD]
グラムパーソンズの動く映像、しかも声まではっきり出ている映像を目の当たりに見られること自体、奇跡のようである。
よく発掘した。それだけでも一見の価値あるDVDだ。
斯界の著名人らのコメントが無駄なく編集されていて非常に観やすく、
映像もきれいだ。
個人的にはエミルーハリスとの出会い、が興味深い。二人が醸し出すこの世のものとは思われない美しいハーモニー、彼女自身グラムの声に恋した。と述べているのもうなずける。さらに同じ穴のムジナとも言うべきキースリチャードとの運命的な出会いが白眉だ。彼がいなかったら、ストーンズの名盤「メインストリートのならずもの」も、名曲「ワイルドホース」も存在しなかったのだ。