アタゴオルは猫の森 18 (MFコミックス)
奥さん曰く、いつも通りね、という。
まぁ、いつも通りだよな、とは思う。いつも通り、いつものやつ。
星街あり、象のサスケあり、遺跡あり、セミ丼あり。
でも、「現状維持」がどんなに大変なことか、大人(おっさん)に
なってしまった身には良く分かる。現状維持はつまり絶えざる向上だ。
昨日と同じレシピでは「いつもの」味は維持できないとどこかの食堂の
オヤジも言っていた。
それでも3.11の余波は明らかに陰を落としていて(磁石牛)、その後の
作品にも「その後」の緊張感は読み取れる。これが10年後、20年後に
どんな風に読まれるのかちょっと楽しみではある。
スコラ社版で初めて出会ってからもう何年になるか。
先日行った本棚だらけの喫茶店で、朝日ソノラマの函入の
アタゴオルに出会って久々に読み返したけど、やっぱいいわ。
何度読んでも良い。
今巻で「このシリーズ」は終わりだそうだが、またどこかで
彼らに出会えるであろうことを、割と楽観的に信じてる。
アタゴオルは猫の森 DVD
公式HPのギルバルスのカッコよさに惚れて、原作の大ファンの友達と観に行きました!
映像と音楽がとにかく凄い!石井竜也が音楽監督だけあって映画開始早々ノリのいいミュージカルが始まり、一気にアタゴオルの世界に惹き込まれてしまいました。踊るヒデヨシたちの動きも滑らかで美しく、色彩の鮮やかさに目を奪われます!
キャラクターもそれぞれ個性豊かで、美しいアタゴオルの世界で自分の感情のままに今を楽しく生きているヒデヨシを見てると、「自分もあんなふうに生きたい」と強く憧れてしまいます。
ギルバルスはもう設定からして反則なくらいカッコイイのに、映画の中で戦う姿に本気で惚れてしまいました!カッカッコよすぎる・・!!(田辺ヴォイス最高!)
ストーリーも笑いあり感動ありの見ごたえ十分で言うことなしでした!続編、作ってくれないかな〜vvvv凄く期待してます!
グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫 (ますむら・ひろし賢治シリーズ)
何度読んでも悲しく胸を打つ『グスコーブドリ……』は、ブドリがますむらネコになっても変わらず。問題作『猫の事務所』では、いじらしい「かま猫」が理不尽に追い詰められていく様がリアルに描かれる。エンディングに突然登場する「獅子」がかなり書きこまれている点に、ますむら流の理解が表れていると感じた(黒井健氏の絵本では、獅子はたて髪が窓の外にぼんやり見えるだけ)。
それに『どんぐりと山猫』では、ますむら氏はネコだけでなく、人間の子どももうまいなあと再認識させられた。
銀河鉄道の夜 (ますむら・ひろし賢治シリーズ)
最終形として1931年頃改稿された有名な『銀河鉄道の夜』と、ジョバンニを入眠状態(?)の実験に使った「ブルカニロ博士」が登場する、いわゆる「初期形第三次稿」の二バージョンが手軽に読める、とても贅沢な文庫本。(初期形全文は、新潮文庫の『ポラーノの広場』で読めます)
なんといっても「ヒデヨシ」の父ますむら氏の絵なので、最終形だけでなく、賢治自身の投影とも考えられるブルカニロ博士登場の、初期形のビジュアル化も裏切られることはない。
博士の「おまえはおまえの切符をしっかりもっておいで」という言葉には深いものがあるが、晩年、この部分を含め、博士の介入を一切破棄した賢治の心境に、おのずと思いが向かわせられて、二編を一度に読むことの、新鮮な喜びにひたることができた。
銀河鉄道の夜 [DVD]
18年前に封切られて,勇んで見に行った記憶がある。その後,レーザーディスクを購入した。今は,過去の産物,レーザーディスクプレーヤーが壊れたのでDVDに買い換えたが,今回このDVDソフトを購入した。いつ見ても,色あせない宮沢賢治の世界が,上手く表現されている。擬人化した猫も,現実味を帯びてはいないが,幻想的な仕上がりになっている映画なので,違和感はない。また音楽とマッチした映像展開が,不思議の国へ案内している。一度見たら,クセになる逸品である。