ブロック・パーティー [DVD]
久しぶりに画面に釘付けになってしまった。
黒人文学を端的にあらわすHIP−HOP。
ついつい演者達のパフォーマンスに見惚れてしまう。
ブルックリンのどこかで行われたブロック・パーティーを追ったドキュメント。
この中には社会に対する憤りや不満なんかを吹き飛ばす力がある。
人生は金だけでいいのだろうか?
自由を手に入れるんだ。
サイダーハウス・ルール DTS特別版 [DVD]
商業主義的な娯楽映画とは対照的に、余分な味付けを一切使わない栄養たっぷりの上質のミネラルウォーターのような映画。物語も、映像も、音楽も、みずみずしく、温かい。主演のトビー・マグワイアとシャーリズ・セロンの新人のようにみずみずしい演技が印象的。マイケル・ケインの父親的な優しさは、物語全体に温かみを与えている。難しい役柄を演じ切った人気歌手エリカ・バドゥの演技力には脱帽。
この映画は誰もが心の内に持っている純粋さと優しさを引き出してくれる。偽善なんて言葉は一切無用。観る者を純粋な気持ちに帰らせてくれる、心の故郷のようだ。トリックを使わず自然を強調した透明感のある映像や、レイチェル・ポートマンの繊細で優しい音楽など、技術面も純粋そのものだ。話の先が!読!めるのに、ついつい感動してしまうのは、この映画には観る者の心の純粋な部分にストレートに訴えかけるものがあるから。世の中いろいろあるけど人生はすばらしい、ラッセ・ハルストレム監督の、そんなメッセージが伝わってくるようだ。本当にいい映画とはこういう映画のことだ。観てよかったと絶対思える感動作。大切に残しておきたい、おすすめの一本です。純粋に感動したい時、日常にウンザリしてしまった時には特におすすめです。リフレッシュできますよ。
New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
エリカ・バドゥの新作です。
何か最近、ロックよりもR&Bやヒップホップ、ソウル、ジャズを聴くことが多くなりましたが、ジャズをベースにこれらの要素を、さらにエレクトロサウンドを取り入れていて、見事な作品に仕上がっていると思います。
やっぱり、PVの話題に目が行きますが、楽曲がスーッと耳に何の違和感もなく入ってくるのは、それだけ、彼女の作品が素晴らしいことなのではないでしょうか?
ニュー・アメリカ パート・ワン(第4次世界大戦)
サーラー・クリエイティヴ・パートナーズ、クエストラヴ、マッドリブ。そしてロイ・エアーズといった生演奏によるファンク字引を得て、ドス黒く発光する作品。「ミー」のアウトロに配されたロフト・ジャズ的な感性、屈強なビンテージ・ブレイクが炸裂する「ザ・セル」、9thワンダーのプロデュースによるサイケデリックR&Bの「ハニー」など、様々なグルーヴが、合わせ鏡のように反響。アメリカ国家というモンスターの内臓を切り裂き、散らかした際の鮮血が、内耳のカーブをドロリと降りてくるかのような生々しさを感じさせる名盤だ。全編を覆う、この焦燥感。ぜひ体感してほしい。
レイター:ヒップ・ホップ・ソウル [DVD]
音楽モノのDVDって、短かったり、内容が薄かったり、どうも中途半端なものが多いと思う。値段のわりに。
これは、イギリスBBCの人気番組レイターに出演したアーティストによるパフォーマンスを収録したシリーズ第6弾で、ヒップホップソウル特集。
これがもうステキな面子が揃っていて、『95年のディアンジェロから2004年のカニエ・ウェストまで』という謳い文句。なかなか滅多に見れない人らもいます。ま、ぶっちゃけ「ヒップホップソウル」という切り口と、揃っている面子がだいぶズレてるような気がするけど(笑)。ネオソウル寄りな人がかなり占めている。StreetsやJameliaなんかもいるのが、いかにも英国のイマの番組でしょう。
しかも33曲収録、一部アーティストには(番組中の)インタビュー映像もあって、これがまた良い。総収録時間は166分!まんぷく。
個人的推しは、6.ERYKAH BADU "On And On"、14.JILL SCOTT "Getting In The Way"(バックコーラスにVivian Greenが!)、15.GLENN LEWIS "Don't You Forget It"、17.SADE "Is It A Crime"、19.KANYE WEST/SYLEENA JOHNSON "All Falls Down"(バイオリンはMiri Ben-Ari、そして後ろにJohn Legendが!)、25.INDIA ARIE "Brown Skin"、29.TWEET "Oops"、30.TERRI WALKER "Ching Ching"、31.VIVIAN GREEN "Fanatic"、32.ANGIE STONE "No More Rain"、33.FUGEES "No Woman No Cry/Fu-Gee-La"。
インタビュー部分は、古館伊知郎みたいな司会者とピアノ前でトーク。
インタビュー中には、アリシアはファンならおなじみのあのカヴァーを自らピアノ弾いて歌うし、ビヴァリー・ナイトは"His Eye Is On The Sparrow"で激ウマな喉を披露するし、アンジー母さんはソウル・クラシックを、ヴィヴィアンちゃんはしっかりジャズを歌う、みたいな。
こういうシーンの収録のほうが、より「おいしい」かも。