地方議員 (PHP新書)
本書はタイトル通りに地方議員に関する書籍であるが、その内容は地方議員にのみ限ったものではない。もちろん、議員定数・報酬や政務調査費、議会改革、議員としての在り方について書かれているため、地方議員にこそ読んでもらいたい本であるが、議員に限らず、首長や自治体の職員、そして各自治体に住んでいる住民にも読んでほしい。
著者は、議員に対してのみならず、執行部や住民についてもこうあるべきということを書いている。地域を変えていくのは、議員や首長、自治体職員だけではなく、住民も関わって行かなければならないことなのである。本書は、住んでいる地域を変えていこうと考えている方々に読んでもらいたい。
もちろん地方自治制度についてもわかりやすく書かれているため、地方自治に関する勉強にもなると思われる。
28歳で政治家になる方法―学歴・職歴・資格一切不要! 25歳以上なら誰でもなれる!
政治は志が重要で、真面目に取り組んだ者だけがやるものだったら
主義主張がもっとも清廉潔白な日本共産党が、なぜ議会で過半数を取れないのか。
それこそが本書の主張である「政治と選挙は区別して考えなければならない」
ということの実証ではないでしょうか。
自らの主義主張を実現するためだからこそ、選挙には勝たなければならない。
その選挙は、実は当選倍率1.2倍、言い換えれば「8割以上が当選」。
そんな選挙だからこそ、本当は若者が挑戦するべきなのだ。
議会に若者を送りこまないと、若い世代のための政治は決して行われない。
若者に、政治そして選挙に目を向けて欲しいからこそ
本書は敢えて刺激的なタイトルや表現を取ったような気がします。
実際に選挙で勝たなければ、理想も何も実現できない。
そのためには高齢者の票も集めなければならないし、選挙スパイを送り込む必要もある。
実際の選挙を知り尽くした著者だからこそ、一見過激で嫌らしいとも思える、
ストレートな表現を使っているのでしょう。
目次やタイトルだけに反応せず、キチンと本書を読めば
この本が決して不真面目なものではなく、若者に対する熱いエールで書かれたものであることは
誰にでもわかります。
しかし、誤解されてしまうような表現はちょっと残念なので
あえて★は一つ減らして4です。