カラー版 ナルニア国物語 全7巻セット
子供の頃にこの物語を読んだという友人が、ナルニア国物語の映画の宣伝ポスターの前で魅入られたように動かなくなった姿を見て、つい衝動買いしてしまいました。
そろそろ『中年』と呼ばれてもおかしくない年齢の私がついていけるかな・・・との心配は全くの杞憂に終わり、久しぶりに心の底からワクワク・ドキドキしながら全巻読み終えてしまいました。7巻では、ページの残りを確かめ確かめ、「あー、もうすぐ終わってしまう・・・」と、悲しさのあまり何度も読むのをやめようと思ったり。
子供たちだけで旅立つ未知の世界への冒険!こんなに素敵な世界があるなんて、もうずーっと忘れていました。辛いときや悲しいとき、仲間と助け合いながら、でも時々は誘惑に負ける弱い自分がいたりして・・・。
また、カラーの挿絵が見事です。特に食べ物の絵は、子供の頃に見ていたら食べたくて食べたくて悶絶していたかもしれません。
もし、小さい頃にこの物語を読んでいたら、ほんの少し人生が変わっていたかもしれない・・・と思わずにいられない素晴らしい内容でした。
一人でも多くの子供たちが、この本に出会えますように!
ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)
「ナルニア国ものがたりをまだ読んでいない人は幸せ。なぜなら、これから読む楽しみが残されているから」という意味の言葉をどこかで読んで、実は10年くらい前から全巻揃えてあったのに、ようやく読む気になったのは最近のこと。今まで手にとらなかった理由はたぶん、この秀れた叙事詩が日本で単に「知る人ぞ知る」名作に甘んじている、私が考えるもっとも大きな理由と同じであろう。
つまり、本の題名が刺激的ではないのである。今どき「ライオン」や「つのぶえ」「馬と少年」などに心躍らせるほど純粋な少年少女が、この国の一体どこに居るのか?「魔女」「魔術師」は使いようによっては魅力もあるが、前者は美少女、後者はイケメンであることが前提。いっそ7冊とも「ナルニア国ものがたり」を前面に出して統一した方が、斯様に贅沢に、享楽的になってしまった日本で本を売り上げるには有利であろう。映画がいまひとつ評判にならなかったように思えるのも、やはり題名に因るところが大きいのではないか。もちろんこんな世知辛い事情を諾々と受容してよいとは思わないけれど。
この作品の本質は、健全・平易・巧緻な筋書きで編まれた、テレビゲームもDVDもなかった時代のRPGに他ならない。キリスト教的世界観で覆われた、善行や良心を愛する作品でありながら、「正義のための戦争」が肯定・美化されているのは非常に西洋的な矛盾であると思うが、ファンタジーとして違和感をもたらすほどでなく、私は本書を読んで楽しかった。1編ずつが完結した作品であるから、長編を読むのに慣れていない若い人にも楽に読めるはずだ。刹那的な刺激ではなく、穏やかな読書の楽しみを見出すには格好の作品と思う。素朴な日本語訳もこの作品にふさわしく、「現代風」ではないが、十分にすばらしい。
ナルニア国物語 ~第1章 ライオンと魔女~
完全なるアクションゲーム。
お気に入りのファンタジーなので、その世界を堪能できるかと思って購入したんですが、その点では期待はずれでした。
私としては、ナルニアを自由に歩き回って、タムナスさんやビーバー夫婦の家を探検したり・・・を楽しみにしていたんですが、そういうことは一切なし。もう少しアドヴェンチャー要素が欲しかったです。
また、4人兄弟の2人が組んだタッグ技もあるんですが、これが余りにも原作のイメージを壊しています。スーザンがルーシーの足首をつかんで振り回す・・・なんて・・・。後に「やさしさの君」と呼ばれる女王になるスーザンがそんなことをするなんて・・・。なるべくそういう技は使わないで済ませましたが、使わないとクリアできない所もあるのが辛かったです(T_T)
映画のストーリーに沿って話は進みます。各ステージが全て戦闘です。腱鞘炎になるかと思うくらいにコントローラーのボタンを押し続けました。結構手ごわい怪物もいて、倒せた時には達成感を得ることはできます。ボス的な敵も繰り返しの攻撃でなんとか倒せるので、途中で挫折する事はないと思います。時々ストレス解消のためにするにはいいかもしれません。
映画で使われたムービーが挿入されていますが、ストーリーを知らない方には、「何を目的にどうしようとしているのか?」が少々分かり辛いかもしれません。あらかじめ大まかなストーリーを把握してから始めることをオススメします。
ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 スペシャル・エディション オリジナル・サウンドトラック(初回生産限定盤)(DVD付)
映画に音楽は欠かせない。が、音楽だけで感動できるかというとなかなかできない。
ナルニアのサントラは、ルーシーとともに(観客として)この国を訪れ、目の前に広がる世界を見た時に「これは音楽をもう一度聴きたい」と思った。
ややコンテンツが少ないのが残念だが、DVD付ということを考慮するなら価格的には悪くない。
だから映画を見る前に買うよりも、映画を見て、できればその興奮覚めやらぬ状態のままで購入して聴くのがいいと思う。
そうすればナルニア国に訪れた、春の息吹を聴けるはずだから。
時には白い魔女に圧倒され、戦いに勇気を奮い起こし、咲き誇る花とともにやってくる春。あの物語を美しく再現してくれた。