アムステルダム 裏の歩き方
昨今騒がれている大麻ですが、この本を読むとオランダでは吸えるものの
すべてのオランダ人が大麻大好きではなく、酒やタバコのような嗜好品として
一部の愛好家が愛用しているもののようです
本書を読むと日本のメディアが騒ぎすぎということを痛感します
コーヒーショップが30軒以上紹介されていて、ネタの種類、雰囲気
などのポイントで評価されていておもしろかったです。作者主観で最悪と最高のコーヒーショップ
も紹介されていました
ドラッグ関連以外にも、日本人にはなじみのないスクワット(不法占拠物件)、
乱交クラブ、ゲイスポット、マニアックなB級グルメなどまさに、アムスの裏を紹介した本です
エロスポットやコーヒーショップマップがついているのもGOOD
旅行で行く際には地球の歩き方などと併用したいと思いました
裏窓の風景
著者が「英語文学世界」を編集していた時の編集後記を集めた本です。見開き2頁で書かれた文章は日々の感想が書かれていますが、非常に読みやすく、エッセイのお手本のような文章が並んでいます。私は外山先生の著作のファンなのですが、編集後記で字数が限られているためか、もう少し読みたいと思う文章も少なからずみられ、そのことが少し物足りなく思えました。
「奇譚クラブ」とその周辺 (河出i文庫)
「奇譚クラブ」をめぐるこぼれ話、風俗史かなと思ったのですが、
著者の性的嗜好のマイノリティ(本当に少ないかどうかは分からないけど)への思い入れが強く、
完全にインサイダーになっており、精神史という感じでした。
しかし、こういう世界を内側からとらえた文章は、たくさん書かれるとは思えないので、貴重だと思います。
この作品を最初に読んだのですが、先に書かれた『「奇譚クラブ」の絵師たち』も読んでみたくなりました。
裏窓 [DVD]
1954年作品。
前作は良作「ダイヤルMを廻せ ! 特別版 [DVD]」、次作は傑作「泥棒成金 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]」です。
ヒッチ自身が「私は創作意欲に燃えていて、ボルテージがあがっていた」と振り返るとおり、この前後の作品は傑作ぞろいで、なかでも好事家には特に高名な作品といえます。
トリュフォーとの対談本「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」から。
「そういえば、『ロンドン・オブザーヴァー』紙の批評家のミス・レジューンが、『裏窓』は”おぞましい“映画だ、のぞき専門の男の話だ。と吐き捨てるように書いたものだよ。そんなに”おぞましい“ものかね。たしかに、『裏窓』の主人公はのぞき屋だ。しかし、人間である以上、わたしたちはみんなのぞき屋ではないだろうか。…中庭の向かい側で女が着換えをするために裸になる、あるいは単に男が寝室で何やら片付けているというだけでもいい、そんな光景が目に映ったら、十人中九人まではまちがいなく眼をそむけずにみてしまうだろうと思うね」
ソフトの画質ですが、基本的には問題ありません。
それなりに古い映画ですので、昨今の映画のようにはいきませんが、十分にクリアです。
安心してみることができます。
また、映像特典がなかなか良いです。
撮影方法やセットなどを詳細に説明しているので、見てから改めて鑑賞すると見方が変わると思います。
個人的な感想です。
この映画はいくつもの点で最高です。
私にとっては理想的なヒッチコック映画のみならず、理想的な映画の中の一本です。
次作の「成金泥棒」などに比べると多少地味な感じがしますが、イギリス監督らしい滋味はこちらに軍配があがります。
なにしろサスペンスとユーモアとロマンスのブレンドが最高で、ヒッチコック映画随一ではないかと思っています。
また、前作「ダイヤルMを廻せ!」ではどことなく輝きがイマイチだったグレース・ケリーも、この作品では素晴らしくチャーミングで美しい。
ジェームス・スチュワートとの相性もぴったりです。
世評的にも、個人的にも文句なしの「イチオシ」作品です。
是非、いま直ぐに見てください。
裏窓(紙ジャケット仕様)
同時代に聴き込み、また今回の再発で未聴だった盤も聴いてみて、あらためてこの「裏窓」が全体でも1,2を争う代表作の一つと思った。
淡々と刻まれるアコースティック・ギターの8ビートでアルバムは始まる。「こんな風に過ぎていくのなら いつかまた どこかで何かに出会うだろう」、ま、そりゃあそうだろうという感じだが、その寂しい日常を歌う1曲目から、凄い説得力で、感じる人はこの時点で強く引き寄せられる。
次の「裏窓」、間奏のクラリネット・ソロが泣かせる。そして「あの男が死んだら」、アルバム中で最も強烈な印象を残す。原曲は、ミルドレッド・ベイリーの「When That Man Is Dead And Gone」で、原曲のクラリネット・ソロなどを萩原信義らがほぼ忠実にアコースティック・ギターに置き換えている。
続く古いジャズの名曲2つ、南里文雄の味わい深いトランペットが花を添える。これも、ミルドレッドのバージョンが下敷きになっていて、マキのレスペクトしている1人だったことがよく分かる。
後半、LPではB面だった部分では、詞曲とも本人の作品の「引越し」と「町の酒場で」が味わい深く、「Trouble in mind」は、萩原のアコースティック・ギターがキレキレだ。
8と10がやや弱い気がするが、これを誉めていた人も見かけた。
全体に、本人がやりたいことをやる中に、ほどよい歌謡性というか通俗的な味付けもあって、聴きやすく、聴き応えがある。また、何年聴いても聴き飽きない。名盤。もし、何か1枚というなら、これか、「灯ともし頃」あたりからお薦めしたい。