真夜中のこじか 1 (ビッグ コミックス)
現役の医師です。
以前は小児外科医をしていました。
あおきてつおさんの漫画は「緋が走る」のころから愛読しています。 絵がきれいで話の運びもよく読んでいて飽きません。
でも・・・あおきさんの漫画に出てくる人々はあまりにもよい人過ぎます。
「島根の弁護士」の時にも感じたことですが、主人公に相対する人たち(ここでは患児の父母)がいかにも簡単に改心し、反省しているように見えます。
医療、特に小児医療の崩壊の原因の一端は権利意識だけ肥大化した保護者にあると思っています。 重症患者を先に診ようとしているのに「私はもう○○分も待っている」という母親が出てきます。その話では待っている子供が「僕大丈夫だから」といってその場は収まるのですが、実際の現場はもっと殺伐としています。一生懸命蘇生している最中に入ってきて「俺の子供を先に見ろ!!」と怒鳴り散らす親など珍しくもありません。
やけどの子供が亡くなる話でも、中耳炎の話でも今の時代すぐ訴訟となります。 そこには、「こんな時間に診てもらってありがとうございました」という気持ちなど、かけらもありません。 これには増えすぎた弁護士のいい飯の種、という側面もあるでしょうが。
殺伐とした現実に対する清涼剤のような、大好きな作品です。
でも、自分の中のすり切れてしまった心を疎ましく思いながらも、「もう少し現実を描いて欲しい」とも思うのです。
ラッシュ・アワーズ (SCオールマン)
すごく身近に感じる話です。
主人公に絡む美女達も魅力的で、それぞれキャラが立っていて面白かったです。
主人公が奥さんに「一君」と呼ばれているのがすごく羨ましかったなあ。そして、メガネの素敵なその奥さんに惚れちゃいました!
島根の弁護士や緋が走るもいいですが、これは隠れた(?)名作です。
あおき先生のファンなら、抑えておくべきですよ。