接地・等電位ボンディング設計の実務知識
接地技術に関する文献、資料を読むと、必ず著者が登場する。
この分野の第一人者で、IEC規格に携わったり、海外の研究者とも親交をもち
グローバルな活躍をされている方である。
内容は専門的で、題名のとおり半分くらいは設計である。
私は設計には携わっていないので、設計以外の感電の基礎知識、
等電位ボンディングの構成、接地方式の特徴などが参考になった。
「等電位ボンディング」を正しく理解するためには最適である。
イラストでよむアースとノイズのはなし
私はファームウェアの技術者なので回路は素人ですが、教養として読んでみました。
プリント基板の不要輻射対策を書いた本です。
不要輻射対策のためのパスコン、ベタパターンなどの説明がイラスト付きで簡潔に書かれています。
著者が考案したと言う基板自体をパスコンとして使う方法は面白く読ませていただきました。
本書の最後に大企業の「丸投げ体質」を批判した文章があります。
管理職は部下が直面している問題から逃げ、逃げ足の速い管理職ほど出世する。
こんな管理職に責任を押し付けられるのは嫌なので、その部下は仕事を外注に丸投げ。
ただの手配師になってしまう。著者は手配師のくせに技術者を名乗る人を詐欺師と批判する。
責任は全て下請けに来ることになる。
私も大企業の社員ですけど、他社でも一緒なのですね。
避雷針と火星の人形
個性的な女性ボーカル、パーム・ルージュ・マリリン率いるバンド有機生命体の2nd。いかすバンド天国に出たりもしていた。マリリンの舌足らずなボーカルは上手くはないが、狂気と紙一重のアブナイ無邪気さが魅力。キーボードをアレンジの要にしたロックサウンドは、ややチープだが、カラフルでポップ。女性版の筋肉少女帯と言えなくもないエキセントリックさもある音楽だ(筋少と比べるとかなりショボい感じだけど)。他には戸川純、越美晴などの強い影響下にありそう。詩世界は奇怪でシュール、SMっぽい倒錯的なイメージを散りばめている。何か物語性を感じさせるコンセプト作で、メインの歌モノの曲と、語りを乗せたインスト曲とが交互に並ぶアルバム構成。前作に比べれば、多少は垢ぬけてきた…が、中途半端に普通っぽくなってしまったという印象もあり、かえって良くない気がする。私は前作の方が好きだ。
「マリーアントワネットの避雷針」はファンファーレが鳴るような大仰なインスト。「目覚めの電気パウダー」は華やかでジャズ色がある。ピアノなどには、筋少の三柴氏への憧れを感じさせる部分も。「マリリンの後に女王なし」はキャッチーだが、どこか分裂気味。お気楽なロックンロールに、ピコピコ騒がしいテクノポップ色ある味付け。「8分の13の食卓」はギターソロ中心のインスト。「火星の人形」は勢いがよくノリノリ、思わず体が動く。ベースが耳に残る。「ブーツを履いたナルシッサ」はディスコティック、ミラーボールとか回ってそうな感じ。サビは男女ツインボーカルに。「稚拙な宝石」は「マリリンの後に女王なし」をダークに変奏し、別の歌詞をつけた曲。妄想・幻聴に憑かれたみたいな病んだ世界。行き場を失って彷徨うようなピアノが不気味。「奇蹟のうた」はたぶんピンクレディーをカバーした曲。ホラーで激しいロックアレンジになっている。ドラマチックでスリルある曲展開が良い。