Laura´s Turbo Raft raft

真・北斗無双(通常版)予約特典『真・北斗無双』特製スマートフォンポーチ付き

悪い意味で話題となった「北斗無双」の続編。あまり期待していなかったが、プレイした結果「北斗の拳を無双シリーズに落とし込むのは難しいのでは」という印象を見事に払拭してくれた。

前作の「動きが重くもっさり、爽快感ゼロ」「敵が圧倒的に少ない」「使いにくいUI」「無駄な難易度の高さ」…など散々だった不満点がほぼ改善されている。全キャラクター中最弱とも揶揄されたケンシロウはスピーディで攻撃範囲も広くなり使っていて気持ちが良く、これぞ無双シリーズという感じ。
また、プレイアブル・キャラクターが前作の倍に増え（DLC含めると26人）、それぞれのモーションも個性があって面白い。特にアインやシャチが使えるようになったのは、原作を知っているとより感動するのでは。

北斗の拳ファンとして特筆すべき点は、原作のストーリーをほぼ忠実に再現し、且つカイオウ編までフォローしてくれたこと。従来の北斗の拳ゲームのほとんどがラオウ編で終わっており、天帝や修羅の国、ボルゲ編はほとんど無視されてきたためこれは嬉しかった（バラン編は完全にスルーされているがまあいいでしょう）。またラオウ編も前作よりさらに細かく再現されている。
肝心のストーリー部分はムービーがほとんどなく紙芝居式だが、ボリューム的にやむを得ないだろう。BGMも無双シリーズらしいメタル調の曲で、世界観に見事にマッチしている。

惜しむらくはやはり無双シリーズについて回る「作業感」。個々の拳士のオリジナルストーリーである「幻闘編」は原作者監修ということもありなかなか面白いのだが、そのほとんどが5つの拠点を落としボスを倒すというだけの繰り返し。前作に比べて増えたとはいえ敵の数も三國無双に比べると少なく、単調で飽きが来やすい。
また、メインストーリーである「伝説編」はプレイ中に短いロード時間が挟まれることが多く、少し雰囲気が壊れやすい。ボス戦も「実戦→ロード→紙芝居→ロード→実戦」と合間合間に差し込まれるためテンポが悪くなってしまっている。これは原作を忠実に再現した代償とも言える。
オンラインステージのシステムも単調。トロフィー獲得目的以外ではちょっと手が伸びない内容。

また声優が一新されているため、アニメ版との差に違和感を覚える人は多いだろう。特にラオウやサウザーなどはアニメのイメージが強いため面食らってしまった。例の主題歌が収録されていないのも残念。アニメ版が好きな人には少し不満の残る内容だろう。

おそらく本ゲームのメインユーザーは原作ファンであり、「北斗の拳をゲームでできることに悦びを感じる人」である。一騎当千の爽快感よりも世界観の再現に重きを置いているため、ストレス解消的プレイや純粋なゲームの完成度を楽しむならば他の無双シリーズの方が良いだろう。

多々マイナス点はあるものの、ファミコン時代から数えても歴代の北斗の拳のゲームとしては最も完成度の高い作品だと思う。北斗の拳ファンはもちろん、今までの北斗の拳ゲームに満足できなかった人にも是非プレイしてみてほしい。真・北斗無双(通常版)予約特典『真・北斗無双』特製スマートフォンポーチ付き関連情報

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