Fuse One - Grand Prix Fuse One モバイル

フューズ

初めてアルバムを手にしたのは1980年代の初めだったと思う。当時は自動車も運転免許も持っていなかったが、身分不相応に高級な自転車でツーリングをしていた。そんなとき、ソニーのウォークマンでこれを流しながら走ると、高速道路をアクセル全開で走るスポーツカーに乗っているような気分になれた。今は、カーステレオで流しながら聴くが、長距離ドライブには最高の疾走感の味わえるアルバムだ。

中でもお勧めは「ウォーターサイド」。ライナーノーツによれば『モルダウ』をアレンジしたものらしいが、とにかくカッコいいソロがこれでもかこれでもかと続く。「ダブルスチール」は同世代なら聞き覚えがあるのではないだろうか。

倉木麻衣の成長記録とも言うべき内容で、過去から連なる曲の歴史はどれもが素晴らしい。何度聞いても飽きる事無く、繰り返し聞く事で曲の世界により深く入り込める。その素晴らしい曲に、これまた魅力的な倉木麻衣自身の映像が重なるのですからファンには嬉しい１枚である事は間違いありません。個人的には「Feel fine !」の完成度は素晴らしいと思います。逆に難点は名曲である「Time after time ~花舞う街で~」を筆頭に「Kiss」「風のららら」がフルコーラス収録されていない事。この点だけは残念で仕方がありません。ただ「Time after time ~花舞う街で~」はライブ版の方で堪能できたので嬉しかったですが。20歳という区切りを挟んだ魅力的な彼女の姿、そして歌声を充分堪能できるものであると思います。