黒い蠍 特別版 [DVD]
前半はちょっと退屈でウトウトしてしまいましたが、巨大蠍が出てきてからは一気に目が覚めました。当然、コマ撮りで表現されているわけですが、そう思えないくらい滑らかな動きでザックザク人間を襲っていく場面は、怪獣好きな私にとって興奮モノでした。頭部がアップになるシーンは、お目目ぱっちりの愛くるしい巨大蠍の姿が拝めます。蠍が巣からわらわら這い出てくる場面も素晴らしい。怪獣映画好きの人は見ても損はないと思います。
クラシック・モンスター DVD Limited BOX 2
これまで沢山作られてきた恐竜映画の中でどれか一作だけ、とりあえずグワンジと崇められていたアロサウルスのフィギュア付き、ということでこの「恐竜グワンジ」と「黒い蠍」が収録されているボックスを入手しました。当時、1950〜1960年代において、恐竜だけでなく架空の動物たちをリアルに表現するには、現在「ウォレスとグルミット」シリーズで有名なアードマン氏等によるストップモーションアニメーションが主流でした。すなわち、人形の姿勢や位置を少しずつ変えながらコマ撮りしていく、というものです。今となっては架空の動物がコンピューターの中で滑らかに動き出す時代となりましたが、その起源がストップモーションアニメーションにあるということを常に頭の中で思い浮かべた方がいいでしょう(なお、劇中にはアップのシーンとして実物大のアニマトロニクスが使われることもあります。ここだけは、現在のBBC『驚異の恐竜王国』等と変わらない伝統的な撮影方法です)。
「恐竜グワンジ」で特撮を務めた巨匠レイ・ハリーハウゼンが、恩師であるウィリス・オブライエンへの敬意を表したシーンも多数含まれているだけでなく、映画「ジュラシック・パーク」シリーズに影響を与えた部分や、「黒い蠍」のように、かの宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」に良く似ているシーンも出てきます。レイ・ハリーハウゼンとウィリス・オブライエンによる特殊効果は、様々な形で後世へと受け継がれていったのですね………。