ザ・デジーズ・オヴ・セント・ヴィタス
フィンランド産デスラッシュバンドDead Shape Figureの2nd
発売前からMyspaceでFace On The Nailsを視聴した時からある程度予想はしていたけど、やはり前作とは音楽性を異にしている。
前作の音楽性はある程度は引き継ぎつつも、デスメタル特有の邪悪さや北欧的な抒情感は成りを潜め、Testamentなどのアメリカンスラッシュ勢からの影響を感じさせるベイエリアクランチ・リフが大半を占めている。
特にヴォーカルの歌唱スタイルは前作とはかけ離れており、クリーンヴォイスも大々的に導入している。
ただし昨今ありがちなメタルコア風味のモダンデスラッシュではなく、クリーンヴォイスを織り交ぜたモダンなスラッシュメタルといった質感。
ダミ声で毒を撒き散らしつつ、時にエモーショナルに朗々と歌い上げるシアトリカルで自由奔放な歌唱スタイルが、Dead Shape Figureの独自性を確固たるものに築き上げているということは間違いない。
卓越したテクニックを誇るツインGは、キャッチーなメロディを奏でたかと思えば矢継ぎ早に流麗なギターソロを挿入するなど、変化に富んだメロディーラインで非常に面白い音楽。
アグレッションやスピード感は前作からは幾分か減衰しているものの、楽曲の幅は格段に広がっており、前作のような金太郎飴のような印象は殆ど受けない。
独特な音楽性ではあるものの前作同様に堅実さを保っているし、そこらのデスラッシュバンドよりかは聴き応え十分。
ただ、前作のBlithering Iconような爆速デスラッシュナンバーを期待すると肩透かしを食らう事は間違いないと思う。
前作同様に怒涛の勢いで疾走する楽曲は#9の「Cities Of The Plain Jordan's Gomorrah」くらいか。
デスラッシュというよりも、モダンなスラッシュメタルとして聴く事をお勧めする。
Vitas (W/Dvd) (Sub/Eng) (Sub/Spa)
まずはなんといってもヴィタスの楽曲が普通に販売された
ことが喜ぶべきことです。今まではネット配信の画像で聞く
くらいしか出来ませんでしたから。
是非とも沢山の方に聴いて頂いて、日本でもデビューして
貰いたい物です。「聴けるだけでもいい!」と思っていましたが、
せっかくヴィタスが情感たっぷりに唄っているのに日本語訳の歌詞がないので
なんて言っているのかさっぱりなのは、残念な気がしてしまいます。
高音の部分は最高で5オクターブ半くらいでしょうか。洗練されたオペラボイスですが
超低温や普通の男性歌手のポップな歌声も出せるのがヴィタスの魅力の一つなので
オペラに興味のない方でも割りと受け入れやすいのではないでしょうか?
なかなかに美形な方ですので、DVD特典というのもありがたい限り。
しかし超高音の所は脳天にまで響くような凄さなので、
お聴きになる際は、音量を下げ気味で聴かれたがよろしいかと思いますね、
あくまでも私個人としての感想ですが・・・。
何故★が4つかと言いますと、一つは収録曲が少ないこと。
あと、あまり録音状態がよくない気がしましたので。
一曲目のは始めの部分でちょっと引っかかっているように思います。
(一番の目玉なのにー!)あとはやはり「ファファファ」が収録されていないのは
解せませんね。他の国では違うようですが、日本ではこれが一番人気のある
ヴィタスの楽曲なのに!ここはまぁ、日本でのCD発売に期待したが良いのかもしれません。
それ以外は大方満足致しました。
結構お手頃なお値段なので、スタンダードな音楽は聞き飽きてしまった方には、
ぜひオススメします。ヴィタスの神秘的な世界観は一度聞いたらきっと
虜になりますよ♪