喜劇人に花束を (新潮文庫)
植木 等さん、という喜劇人についての章は、とても細かく、もちろん著者もその周囲の人であったにも関わらず、非常にフラットな目でクールに書かれていて、さすが、という感じを受けました。伝記モノ(この本が出版された当時は生前であったのでしょうけれど)はおそらくその人物に対して非常に強い思い入れがあるからこそのものなのでしょうけれど、それであってこれだけフェアに書かれているのにはかなり驚きを感じます。それでいて自身の影が消えているわけでもなく、ちょっと他では(私の感覚と読書経験で言うと、ですけど)見たことの無いような距離のとり方と公平性です。
もちろん、思い入れの強い人からすると、もっといろいろあるのでしょうけれど、喜劇人「植木 等」のかなり底まで肉薄しつつ、愛情と尊敬を感じさせる周辺記、素晴らしかったです。こういう書き手で笑いに理解ある言葉と文脈と文章で残せる方はかなり珍しいのではないでしょうか。
もう1人の藤山さんについては全く知識が無いのでドンナ人なのかも知らなかったのですが、かなり苦しくも厳しくキツイ生き方をされた方なんだろう、と納得させられました。
そして文庫版での追補として伊東 四朗さん!ココが読みたくて借りたのですが、やはり伊東さんは私の中ではかなり好みの方ですし、小松政夫さんとの掛け合いなんか最高でしたし、私はベンジャミン伊東からの伊東さんしか知らなかったので、この展開が以前の伊東さんを知る方からは驚愕と、小林さんからは絶賛されたのだと知ったのが意外でした。でも伊東さんのはっちゃけ具合と、そこはかとなく漂う雰囲気のギャップ(私にはどこかしら狂気ではない、醒めた、しかし諦観ですらない何かを感じます、にんっ、とか)と、どうしても完全に周囲に溶け込めない何かを抱えているように見えます。
喜劇人の時代の流れと、小林 信彦というフラットな目を持ち、関係を続けていける稀有な観察者の日記のような、それでいて愛溢れる伝記ものに興味のある方にオススメ致します。
6輔+8大=14ヒット+α
欧米のロックは60年代のルーツが評価されている。それに比べ日本はせいぜいGSもしくはカレッジフォークどまり。つまり団塊の評価している音楽までで断絶している。しかしこのオムニバスを聞くとそれ以前に素敵な音楽があふれていたことを証明してくれる。水原弘などもっと評価されていいのではないか。しかし中村八大の多彩な音楽性。このひとの才能こそ国民的な評価をされるべきだ。このCD 私のような30代後半の人間にはもうすこし各曲の解説が必要かなと思われるが1500円という値段ではしょうがないか。でも『上を向いて歩こう』世界が認めた永遠の名曲です。
Duets
この『Duets』という宝箱について、僕からの11個のお勧めポイントです!
1.80年代前半、ロックの女王だったのが久美子さんでキングだったのが清志郎さんです!King&Queenの共演です。一曲目にふさわしいナンバーです。思わずRCの「トランジスタ・ラジオ」を思い出しました。2.HIGH-LOWSの甲本ヒロトのゴツイ声と久美子さんの可愛い声が異色の響きを醸しだします!3.ユーミンの曲の中でもかなり好きなので僕にとってもかなり聴き応えありました。ハモッたりハモられたり聴いてて気持ちいい!4.FLYING KIDSの浜崎貴司さんが桑田氏の物真似で歌ってるようなってくらい声がそっくりの歌唱!原坊役の久美子さんもきっちりハマってます!それにサザン・スタンダードの楽曲の良さにあらためて気づかされます!5.考えてみれば大澤誉志幸さんと大友康平さんの組み合わせは珍しくないですか?渋くてカッコいい仕上がりです。ちなみに大澤さんは名曲「こっちをお向きよソフィア」の作曲者です。6.いい曲は時代を超える!この曲を聴いてつくづく思います。7.なんとも絶品「Sweet Memories」。チャボのワンポイントハモがまたいい!この曲では蘭丸がアコギ、チャボがエレキギターだと思われます。8.宮沢和史とのデュエット。声の組み合わせとしては彼との相性が一番よかったのでは?9.そしてもっとも楽しみにしていた「SOMEDAY」!原曲のアレンジの雰囲気を忠実に再現しています。吉川晃司の歌い方も佐野氏にかなり似ているところが面白い!女性シンガーでこの曲がハマル人って久美子さんくらいしかいないのではないでしょうか?10.亀渕友香という方とのデュエットです。ハーモニーを楽しむならこの曲が最高です!11.このアルバムでは、佐野元春が提供して有名な方の「So YOUNG」でなはなくこの曲にスポットが当たりました。その選曲の良さに歓喜!
久美子さん25周年心からありがとうございます。
のぼせもんやけん2 植木等の付き人時代のこと。
よくわからない仕事です。
仕事の内容もそうですが、どんな気持ちで取り組んでいるのか。
まったく想像の範囲外です。
これは、小松政夫さんが、植木等の付き人だったころの4年間の物語です。
『のぼせもんやけん2』とあるとおり、『のぼせもんやけん』が存在します。
こちらは、福岡から上京して伝説のセールスマンになるまでの話をまとめているそうです。
その後、会社を辞めて、植木等の付き人になるんですね。
実は、この本は、もっと早く書かれる予定だったらしいのですが、途中、植木等さんが亡くなったため、お蔵入りしかけたそうです。
それくらい、小松政夫氏にとって植木等さんの存在は、大きかったようです。
植木さんが亡くなって半年経ってから、やはり、植木さんのことをまとめなきゃ、との動機でペンを取ったようです。
この本には、師匠と付き人の濃厚な人間関係にあふれています。
それは、肉親以上といえるでしょう。
このような濃厚な人間関係を一生続けていくって、どんな人生なんだろう。
ハナ肇さんのエピソードも綴られていますが、カリスマってこんな人の事をいうんだろう。って人物像です。
付き人って、師匠を愛し抜く仕事だったんですね。
クレイジー好きには、おもしろい本です。
大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-
なかなかCD化されていない曲がありましたので、よかったです。実はsongbookよりかなりマニアックに仕上がりましたね。
COVER BOOK2でるのかなあ