嵐を生きた中国知識人―「右派」章伯鈞をめぐる人びと
中国で出版されてベストセラーになった後発禁になり、その後内容が増補されて香港で出版されたといういわくつきの本書は、現代中国に関心を持つ者であればおよそ必読だと思う。本書に描かれるのは、反右派闘争で「最大の右派」として糾弾された中国民主党派のリーダー章伯鈞を中心とする、共産党政権下の中国において心から「自由」を追い求めた人々の肖像である。彼らは中国の古典ならびに西洋の思想全般に通じ、「自由」「民主」について語らせれば決して同時代の著名な知識人にひけを取らなかった。中国共産党というと、農村に支持基盤を築いて政権をとったというのが一般的な理解だが、国民党に失望した都市の自由主義的な知識人の間でも広く支持されたということを忘れてはならない。しかし共産党が政権をとった後、ほどなくして「用済み」となったそれらの人々は容赦なく切り捨てられる。その後の苦難と屈辱の生活の中でも決して誇りを捨てなかった人々の精神的気高さを、「最後の貴族」というオリジナルタイトルがよく表している。訳文も原作の雰囲気をよく伝える名文だし、詳しい人物紹介があるのもありがたい。
ただ、本書全体を貫く張り詰めたような美しさに心打たれながら読み終えたとき、一つの大きな「欠落」にも気がつかざるを得ない。それは、本書の登場人物は例外なく経済オンチだということだ。彼(女)らが語る「自由」の中で経済活動の自由の占める位置は恐らくごくごく小さなものでしかない。このことと彼(女)らの追求した「自由」が結局のところ悲劇で終わらざるを得なかったことは、決して無関係ではないように思う。
謎解きはディナーのあとで
えーと、図書館で借りて読みました。
まさしく大正解でした。
最近の萌を反映したような設定。文章。
面白かったです。
面白かったですがこれはキャラ萌小説の類だと思われます。
執事とお嬢様のキャラ小説も悪くないと思いますが、読み返す気にはならないです。
読み返したくなるような内容は無かったと思います。
ささっと立ち読みか図書館で借りるので十分かと。
正直この本が本屋大賞を受賞したのなら、本屋大賞はかなりレベルが低いのでしょうね;
かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相
「完」を見たところで油断してはいけません。
隠しシナリオをプレイするまで、このゲームの評価やネタバレ掲示板の閲覧などは控えたほうがいいと思います。
それではまず不満な点から。
謎解きに特化したせいか、番外シナリオや遊び要素が少なく、かまいたちシリーズの副菜として求めていたボリュームが不足しています。
また、似たようなバッドエンドが多くて残念でした。エンディング回収は完全に作業です。
迎えたエンディングによって分岐が増えるということが少なく、展開に幅が出なかったのが残念でした。
ザッピングシステムについて。
キャラクターが横に連携しながら謎を解いていくという展開が、まずシリーズファンとして嬉しかったです。
ザッピングをしながらでないと解けない謎もありましたし、ある人物の視点で読むまでは正解に至る根拠が完全にでなかったりして、謎解きにおいてはうまく機能していたと思います。
完全な透視点を捨てることは1,2のファンにとって違和感をおぼえるところですが、そうでなくては味わえなかった旨みもありました。
しかしこのシステムのせいでエンディング回収が面倒になったことは確かです。また、キャラクターの生き様がそのままシナリオにつながる、「街」のような面白さはありません。
満足した点。
先に述べたように、複数視点だからこそできたシナリオ運びや謎解きは、個人的にとても楽しめました。
全体の構成から隠しシナリオにいたるまで、我孫子武丸らしい知的で端正な魅力があふれています。
何よりも、あの人々にまた会えたということが、私にとっては大きな喜びです。エンディングにも感慨深いものがありました。
最後に。ミステリとして楽しかった1、ホラーとして面白かった2、シリーズのくくりとしての3。どれも私にとっては思い出深いゲームです。
流行り神 Revenge 警視庁怪異事件ファイル
都市伝説をキーワードにした味のあるストーリーを魅力ある登場人物たちが盛り上げる良質のサウンド・ノベルです。
絵も非常に良いと思います。
サウンド・ノベルの基本として、完全制覇するには同じ話を何回か繰り返すことになります。
オリジナル版になかった文章のスキップ機能がつき、繰り返しプレイがしやすくなったことがこの廉価版の大きなポイントですね。
他の方も言われているように、科学サイドの結末はそれらしいものにしてほしかったという気持ちはありますが、
物語全体の流れとしてはオカルト路線じゃないと辻褄が合わなくなるので納得は出来ます。
この手の話に多少興味があったり雰囲気に惹かれた人なら十分に楽しめる内容でしょう。
物語最大の謎は残されたままですし、続編が出ることを強く希望します。
文庫で小説も出てますのでそちらも是非!