半世紀の男~Limited Edition Special Box(初回限定盤)
音楽趣味の漫画家が、作品が売れたお陰でCDが出せる…と言う側面はあると思いますが、(実際それはあると思うし)「20世紀少年」11巻初版に付いていたCD、ケンヂ作「ボブレノン」がいたく気に入っていたので購入しました。声質、歌いかた、歌詞の面など、漫画家でビートルズマニアの、ますむらひろしさんと共通する感じがあります。多少くもった声でプロの歌手とは違うのですが、魂はきっちり入っている。色々な音楽を聴いて、今それが噴き出している。そんな感じ。一曲目の「洪水の前」なんてかなりお気に入りです。 ラスト曲ボブレノンのバンドバージョン。エンディングの白井'ムーンライダーズ!良明氏の斜め45゜あたりからやって来るギターソロはたまらんです。 20世紀少年ファンなら、ケンヂのアルバムとしても聴けるかも。
浦沢さんにはあと二枚位、アルバム作って、アコギがしゃがしゃかき鳴らしながら全国ツアーやってもらいたいです。
BILLY BAT(9) (モーニング KC)
今までリードしてきた各主要人物へのコウモリの指示。
すべてがバラバラだったものが一つのベクトルに向かっていく巻。
1巻を読んだ時に意味が解らなく諦めた方は此れを気に1巻から
読み直す準備をするのにふさわしい巻になったと思う。
これからが楽しみだ。
20センチュリー・ボーイ~Final Chapter
ただただ浦沢直樹『20世紀少年』というだけで聴きました。が、これは拾いものだったと思います。
T-REXはもちろん、かっこいいの一言に尽きるし、すでに刷り込まれてしまっているのか映画『20世紀少年』にもぴったり合っているのか、何度でも聴きたくなってしまいます。リアルタイムでもっと聴いておけば良かったと思えるくらいですが、逆にこの歳になったからこそ響いてくるものがるのかもしれません。
浦沢直樹自身の歌は、これこそ儲けもの。アマチュアの域を少し出るか出ないかという感じですが、マンガの中で歌詞でしか読むことのできなかった歌がこうして聴けるのですから、やはりOKでしょう。
しばらくこの2曲を聴き返すことになりそうです。
MONSTER 全18巻 完結コミックセット(ビッグコミックス)
人気媒体への長期連載を可能にするのは作者の側の気力・体力・時の運、そして編集部の「大人の事情」、読者の人気(多くの場合加速度を付けた思い込み)等々、全ての幸福なマッチングが必要だろう。
浦沢直樹氏の『Monster』も物語の「幸福」の中で、作者の着想・構成・道具立てに引っ張られ、読者の双子の兄・ヨハンの人を引き付ける魅力の正体、人を操る技の正体、そのヨハンを生み出した「何か」の正体の解明への興味を主線に、物語の終焉に向けて読者の興味の圧力と作者の能力の葛藤が織りなした大渦の中から、物語を生還させた裏の物語の混合物として読める。
浦沢直樹氏が漫画家として名を成し、編集者の意向からやや自由に好きなものを描ける力を得た時期の作品として、記念碑的作品と言って良いのであろう。
BILLY BAT(10) (モーニング KC)
時間と場所と登場人物がごちゃごちゃしてますが、1924年のロサンゼルスの「師匠」と、1964年の光森村の雑風、ケヴィンたちの場面が、交互に映し出されます。ふたつの時間は、ついにつながるのか? その鍵は巻物なのか漫画なのか? その答えはまた次巻に持ち越し…