SHOT/ショット [DVD]
この映画、いろんなサイトを覗いてもあまり評判がかんばしくないのが実に残念です。でもこの映画にガッカリしている人って、あくまでP.O.V.(ポイント・オブ・ビュー/主観映像)映画ということにこだわってらっしゃるのですよね。これ予告編でもパッケージにもP.O.V.と確かにうたっているのが良くないと思うのですが、この映画はP.O.V.ものではなく、あくまでワンシーンワンカットという技法を用いたホラー映画です。だから効果音や音楽が鳴っているのに白けるとか、主観映像の人称が変わって不自然だとかいう批判は当たってないと思います。主人公をずっとカメラが追いかけ、ぐるぐる舐めるように撮って、車に乗り込むと車の座席にまで入り、そしてとうとう屋敷の中に入るというカメラワークには、私もまぁふ〜ん頑張ってるね〜程度で思っていたのですが、暗い屋敷の中で鏡を小道具に使ったり、影の映りこみの危惧にもかかわらずの手持ちの灯りで部屋を散策といったスリリングな展開におおっ!と盛り上がりました。全編ワンカットではなく、暗転するところがあるので本編でも1回か2回カメラ止めてるところもあるようですけど十分引き込まれます。ラストのオチはメジャーな映画でそれあったねというものですが、それでもエピローグのそれもワンカットをいかしたおおっ!という構成で実に効果的でした。でもまぁワンカットにする意味ってあるの?ってものですが、一緒に見ていた私の妻がもうギャーギャー言って文字通り飛び上がって怖がっていて、そんなに怖かった?って聞くと“何かしらないけど、緊張感が途切れないので息苦しくなった。こんなに追い詰められた気分になった映画は始めて”って言ってました。当然ワンカット映画って事には全く気づいてなかったです。ワンシーンワンカッット効果あるじゃん!
最後のトレモロ~バリオス・ギター作品集
バリオス本人の記念的名盤が最も素晴らしいが、残念ながら音質が悪く鑑賞に適さない。バリオスを現代に知らしめたジョン・ウイリアムスのCDが多分最高であろうが、ここに聞くラミレスは聞き手をリラックスさせる不思議な魅力がある。
ハーモニカの鬼才~フォルクローレ名曲集
人は言う、”ハーモニカのジミヘン”と。奔放ではちきれそうな情感のこもったプレイは、確かにその称号がふさわしいと言えるかもしれない。
そんな彼が、祖国の根の音楽、フォルクローレを存分に吹きまくった一作。アルゼンチンの激情や哀歓が、この素朴な楽器から吹き零れそうだ。晩年の作であるせいか、より土着志向の強い演奏が聴けるが、そのプレイは枯れてはいない。