血だるま剣法・復讐つんではくずし
なぜ誰もレビューを書かないんだ?!日本のマンガ史上に残る傑作じゃないか!
絵のうまさ、話のおもしろさ、そして全編を貫く異常なまでのテンションと説得力。
マンガならではの野蛮な快楽が凝縮している。これを読まずしてマンガ文化は語れない!
黒田三十六計 8 (SPコミックス)
侍の時代劇漫画の巨匠平田弘史先生の最新巻。「黒田・三十六計」のタイトル通り、主人公黒田官兵衛中心の話でありますが、敗北した毛利家、明智家のエピソードなど大量に投げ込まれ群像劇となっています。「智に生きるもの」、「義に生きるもの」、「欲に生きるもの」。すべての登場人物が徹底した生き方を貫いていて、その各々生き方が戦場という場所で交わり、男くささの美学を醸し出しています。一番すごいのは、P154の明智光秀を抱く斉藤利三の絵で、この絵だけでも本の価格以上のものがありました。
それがし乞食にあらず (平田弘史傑作選 (昭和四五年~四六年))
武家社会の悲哀が詰め込まれている秀逸な作品集です。
現代社会では理解しがたいながらも、この時代の主君を持つ武士の生き様が、
決して多くはないページの中に痛切に描かれています。
表題にもなっている「それがし乞食にあらず」は、
主人公の凄まじい信念と、この時代に生きる男の不器用さを
見事なまでに表現しており、数ある作品の中でも短編としては最高峰の印象です。
作品に登場する、自分の信念を貫くタイプの人は現代ではなかなか見ないのですが、
悪意や嫉妬を持つ人々、無関心を装う人々は今でも蔓延していることについては、
自分に不甲斐なさすら覚えてしまいます・・・。