好き好き大好き(紙ジャケット仕様)
「恋愛」をテーマにアイドル路線でまとめてみましたという作品らしい。
全編収録時間27分と短いが、捨て曲無しの大傑作。
なんと言っても詞が凄い。ボーカルのすごさは言うまでもない。
この手の方向性を具現化するには天然素材の狂態的才能が必要。
未だ追随しこれを並び超える者も皆無というワンアンドオンリーな
世界を堪能できる。
“愛してるって言わなきゃ殺す”のタイトル曲。
“シェルターの蓋をこじ開け貴方の名前を呼ぶ私”の「さよならをおしえて」
しかしながら裏アイドル路線とも言うべき世界に、本人の独特のキャラの
「怖可愛い」の魅力を引き出しているのが、他界した妹戸川京子の作詞で
炸裂する1曲目と最後の曲の2曲であろう。
(「ヘリクツBOY」「遅咲きガール」)
“だけどほんとは襲ってくれなきゃイヤイヤ”なんて台詞、お笑いソングと
紙一重だが、見事な世界を構築していて脱帽。
ちやとり図鑑
ひところ、「東京メトロサウンド」という「ジャンル(?)の呼称」がありました。ムーンライダーズ、ハルメンズ、シネマ、水族館レーベルやメトロトロンレーベルに参加したミュージシャンなどによる人脈。このへんの音楽が好きなひとは、参加スタッフの名前を見れば、ピンと来るでしょう。
プロデュース:和久井光司、アレンジ:大木雄司、作家陣:鈴木慶一・高野寛・松尾清憲・沖山優司・一色進・直枝政太郎・泉水敏郎・立川芳雄ほか、ヴォーカル:さいとうみわこ・戸川京子・夏木晴美・吉田ゆかり・沼田えみこ、語り:稚野鳥子・あがた森魚。
このメンバーで中途半端な作品ができる筈がない、という期待通り、いや、期待以上の作品でした。曲名が全部、ビートルズの曲名からとっている、というところにも、こだわりがあります。
純愛山河 愛と誠 DVD-BOX
役者さんとの間で問題が無ければもっと内容(特典)が充実していたかもしれない…と考えられる点は残念です。時期が映画と平行してしまった為(と思ってるだけ)中途終了なのが残念、原作には一番近い雰囲気だったのに…、でももうDVDが出るとも思えないから三ツ星。(+オープニング画像はマッドハウス初期時代の杉野昭夫さん?)
ポケットは80年代がいっぱい
華麗な経歴と職業、そして幅広い分野に精通する才女。
そんな香山リカのとんがった、しかし
ちょっと恥ずかしい青春オマージュである。
私の80年代は中学高校、一部大学生活で
どちらかというと本書に書かれている危険で濃密な現場を
外からうらやましく眺めていたに過ぎない。
そんなサブカルの内情を今、知ると、一般社会にも見られる
泥臭い部分(失礼!)に落胆するとともに、
一部の単語に胸の奥を思いっきり甘酸っぱくさせられてしまう。
香山リカが極めて真面目、かつ淡々と、そして
尻切れトンボに終わる本書は構成としては異色。
それだけストレートな告白なのかもしれない。