POWER SCALE
Icemanのアルバムの中では一番好きです。
この、あまり高速に弾けすぎる曲でもなく、
ほどほどに切なさを感じられるシングル3曲を筆頭にして、
上質な浅倉サウンドが楽しめるのが本作だと思う。
捨て曲っぽいのもちらほらあるけど、
これの代わりに、シングルのc/wだった「WHAT'S WRONG?」と「Angel Dust」、
ファンの人気も高いこの2曲を収録してれば完璧だった…
この2曲くらい余裕で入る容量あるんだし、入れて欲しかった。
(結局ベスト盤も出ないまま解散し、8cmで聴くしかなくなってしまった…)
歌詞の面では、
黒田の歌詞はまだ日記調の幼い感じで、井上秋緒が引っ張ってる。
でも、これ以降の伊藤を中心とした読解するのも困難なイロモノ的な歌詞より、
この1stのような井上秋緒の歌詞のほうがよっぽど良いと思う。
黒田にいたっては、これ以降、歌詞を書かせてもらう機会すら失っていく。
上記のとおり、シングル3曲はどれも秀逸。
シングル以外だと「Something feel like heaven」や「黎明」なんかは、
凄くお薦めできる良い曲だと思う。
個人的には、切ない感じと無機質さを多分に感じられる、
こんな感じの浅倉のデジタルサウンド、そしてIcemanがもっと聴きたかった。
しかしこれ以降、
やたらノリが良かったり、弾けすぎたり、ファンタジーみたいな世界だったり、
そんな“ヌルい”“軽い”曲調が多くなったかと思えば、
今度は一転して、思いきりマニアックな“GATEシリーズ”に移行して、
結局この1stのような感じのIcemanは聴けぬまま終わってしまった。
このアルバムでもまだ未完成だと思うし、手放しで最高評価までは付けられない。
けど、すごく可能性を感じられる一枚。聴いてて良い具合のバランス。
もうちょっとこの路線でいってくれれば…。
都市伝説セピア (文春文庫)
「わくらば日記」で朱川さんのファンになり、文庫版になったので購入してみたのですが、
わくらば日記の切ないけれどやさしい雰囲気と違い、
この本に載っている作品はどれも、切なくて苦しくてやるせない、そんな思いにさせられます。
見せ物小屋や、口裂け女等の都市伝説や、昭和中期の雰囲気をよく生かした、ノスタルジックな時代設定がとてもうまかったです!
怖いだけじゃなく、切ない気持ちが強く残る、幻想的なホラーでした。
NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2011年 11月号 [雑誌]
毎度写真が素晴らしく驚嘆・嘆息しながら眺めています。11月号のお薦めは冒頭10頁にあるコククジラの白髭。これで海水を濾してオキアミなどを捕食してます。アイスマンの記事は1991年に発見されたアイスマンのミイラを解剖した結果を生物学的、医学的に検証した記事です。目を楽しませてくれたのは遊牧の民サーミの若い女性の美しさ。
さて、本号は200号の記念号にあたり、特典が付いています。アフリカ大地溝帯の地図は迫力がありました。過去に発刊された200のナショナル・ジオグラフィック日本版が一望できる縦長のポスターがあります。トリビアですが、幻の号が2つあることなんかも巻末に紹介されていました。
世界人口が70億を超えたそうです。今世紀中頃には100億を突破するだろうと予測されています。今後の食料問題、水資源の問題、自然破壊…。いったい未来はどうなるんでしょう。ナショナル・ジオグラフィックは今ある地球の姿をあるがままに捉えています。将来を考えるきっかけになってくれます。