In Constancia Contans..
フランスのテクニカル系ギタリスト、Cyril Achard(シリル・エイチャード)による2002年の作品。Cyril Achardはアルバムを出すたびに違った面を見せてくれるプレイヤーです。あるときはスコット・ヘンダーソン風のオールインストアルバムやアコギ1本の作品を発表したと思いきや、この作品ではボーカルとキーボードを大胆に導入したシンフォ系の作風にチャレンジしています。一見すると、UKの後期やドリーム・シアターを想起させますが、とにかく全曲の構成が複雑。目まぐるしく変化する曲調、複雑極まるリズムにCyril Achardのテクニカルなギターが切り込んでいくという構成で、かなりこってり感があります。
これは個人的な感じ方ですが、シンフォ系の作風に挑戦したこと自体は評価できるものの、楽曲自体は結構大仰で、あまり練り上げられていないように感じます。そこにCyril Achardのギターが切り込むにしても、場合によっては唐突な感も。ここら辺りが惜しいところで、せっかくの素晴らしい素材を全体の中で生かし切っていないと思われる箇所が散見されます。とかく「臭く」なりがちな試みは、時間がかかってもじっくり醸成したほうが香りも味も極上になるはずです。
Savage Nights [VHS] [Import]
監督と主演をしていたシリル・コラールが、
この映画の役と同様にエイズで亡くなっている話は、
有名だと思います。
このビデオがでたころは、
全くといっていいほどエイズに関する知識がなくて、
どんな病気なのかもよくわからなくて、
うつったら死んじゃうのに・・・と漠然と思うだけでした。
今あらためて思ったのは、
主人公がエイズだからこの話が成立するんじゃなくて、
誰にでもありえる恋の話なんだと。
好きな人のために何ができるのか、
その人が思うように生きることができるのか、
そんなことを考えました。
ジャッカルの日 [DVD]
率直に言って原作より数段スリリングな傑作。
ジンネマン監督らしいドキュメンタリータッチでクールに描かれるドゴール大統領暗殺計画の顛末。
エドワード・フォックス演じるジャッカルとアラン・バデル扮する警視との息詰まる追跡と攻防。
傑作の多い70年代スパイスリラーの中でも屈指の出来。
Les Girls [VHS] [Import]
ジーン・ケリー主演、作曲は"Begin the Beguine"で有名なコール・ポーターなので、曲がやっぱりいいですね。タイトルにもなっている"Les Girls"のナンバーは、ジーンにしては珍しいステップがたくさんあり、とても興味深いです。ストーリー性もあって、ミュージカルとドラマがmixされた作品です。1950年代も後半になってくると、出演している女性も昔と雰囲気変わってきています。セクシーで美しい!ジーンはいつ見てもステキです、やっぱり。
Horizons
ホライゾンズ(水平線)というタイトルが印象的なアンスネスのピアノ小品集(全22曲)。
選曲のコンセプトは彼がピアニストになる過程で練習した曲、敬愛するピアニスト(リパッティ、ミケランジェリ、ジョイス)へのオマージュ、ピアノという特性を生かした編曲作品というもの。
彼のピアニズムの特徴である自然な奏法と弾むようなリズムの流れ、音楽は清々しく暖かみを感じさせる素敵な演奏だ。
ショパン、リスト作品での闊達や情熱は申し分ないが、反面多少のロマンティシズムも欲しい気もする…
荒波の様を表現したスメタナの難曲「海にて」の見事な技巧、シャルル・トルネのシャンソン「街角にて」やドビュッシー「月の光」スコット「蓮の国」での洒落た味わいが特に印象的だった。