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コマネチ!―ビートたけし全記録 (新潮文庫)
「HANA-BI」の受賞時期に新潮45の別冊として出版された、北野武編集長による本。その文庫版。
内容は、ノンフィクション作家、吉岡忍による「HANA-BIが上がるまで」。これは非常に読み応えあるルポだった。また、松本人志、今村昌平、古田敦也との対談が掲載されている。興味深かったのでは、お笑い芸人としてのたけしと松本が、テレビというメディアに対して似た気持ちを抱いていた印象を受けたことだ。
その後にある「だからTVは狂ってる」というたけしの書いた記事がある。この記事から、テレビの狂気じみた裏話、その中を潜り抜けて来たたけしが、普通の人の感覚を持ち合わせていることに驚かされる。
その他にも、たけし軍団がたけしを語る「バカ殿言行録」、水道橋博士が「オールナイトニッポン」傑作選というコーナーを書いている。博士のページでは、たけしの誕生日、ツービート復活等の記録を披露している。この記事が、松尾スズキの「hon-nin」に引き継がれ「オールナイト傑作選」という本が出版されている。こちらもお勧めしたい。
更に、吉川潮、中野翠、福田和也のたけし論、たけしのグラビア、たけしの撮ったタカとらっきょの写真など、ビートたけしと北野武を贅沢なつくりになっている。充実した一冊なので、たけしファンにはお勧め!
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たけしのコマ大数学科 DVDBOX 1
私が思うコマネチ大学数学科の正しい視聴方法は、生放送で見るのではなくまず録画し、冒頭の問題を書き写したところでいったん止めて、どんな方法でもいいから自分なりの答えを作り、再び再生しながらマス北野や東大生、場合によってはコマ大生と共感するところにあると思う。竹内薫や中村亨のうんちくがさらに新しい興味分野をかいま見せる、受信料払ってでも見たいと思わせる番組だ。偶然、書籍版を発見したことからこの番組を2年目の途中からかかさず見ているが、さすがに初回からの再放送はないだろうとあきらめていたのでDVDになったのはとてもうれしい。星は10個くらいあげたい。
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たけしのコマ大数学科 DVD-BOX 第4期
低迷するフジバラエティーの中で、しかも深夜で頑張っている作品。
問題の選択など、素晴らしいのだが、難しくて解けないし、解法をを
聞いても解らない。でも、良い作品です。数学力の足りなさすぎる日本人には
必要。
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平成コマネチ (通常盤)
私はbisのCDを買ったのはこれが初めてでしたが、正直最初は不安でした。
ヴィジュアル系に手をつけ始めたばかりで、その前に買ったthe GazettE(ガゼット)の
CDで精神的に病んでいた(今は慣れたものですが…)ので
「これもあんな感じだったらどうしよう…」と思っていました。
一曲目の「WARNING」を聞いてHIPHOP調だったのでまた心配になりましたが、
ニ曲目の「DAYS」を聞いたら全部吹っ飛んでしまいました。一言で言えばポップでロックな
感じが最高!歌詞もとても素敵で心が洗われるようでした。
三曲目の「SAZANAMI」も沖縄チックで楽しい気分になれます(コレもまた歌詞がイイんです)
ちょっとbisに興味があるけど初めてで、「平成コマネチ」と言う名前で
買おうか迷ってる人は買ったほうがいいと思います。
また、一月〜二月くらいにアルバムもでるので、そちらも要チェックだと思います。
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コマネチ 若きアスリートへの手紙
スポーツ用品メーカーのCMで76年当時の映像が流れ、アテネ五輪
の会場にも姿を見せたコマネチ。今夏の自伝出版は実にタイムリーな
贈り物。
『白き舞』以来、ファン待望の著書です。
ここ何年かはテレビ各局が、ドキュメンタリー形式で彼女の亡命までの
経緯を伝え、『あの人は今』的な特番の常連ともなりました。
自由を得た今、この本でどう自身を振り返るのかは興味深いものでした。
常に客観的に物事を捉える聡明さ
氷のようだと評された振舞いの中に秘めた情熱
天賦の才能とそれに頼らぬ努力の積み重ねに裏打ちされたプライド
自由主義国で暮らすようになった今も、多くの人々が抱くイメージを
決して裏切ることなく、淡々と語られるその半生は、ファンでさえ知
り得ることのなかった出来事の連続でした。
特に78年当時、思春期の心と身体の変化からコーチの前で涙した
というエピソード。
引退後、国家体制の下で貧困にあえいだその暮らしぶり。
また亡命の際の心の動きは、決してマスコミには伝えることの出来な
い、実に生々しいものです。
常にハイエナのようなマスコミの標的にされ続けた人生。
その恐ろしさを誰よりも知り、また同時にその恩恵に浴する立場でも
あるコマネチが静かに語ることで、読む者の心を強く揺さぶります。
頂点を極めたアスリートの自伝という域を越えた、重みあるストー
リー。
『私なら、コマネチにどんな手紙を送るだろうか?』
読後、ふと考えましたが、熱心なファンであったはずなのに不思議と
何も浮かびませんでした。
今はただ彼女に幸せなひとりの女性であって欲しい。
そう思わせる一冊です。