アンプラグド [DVD]
ついに、この人がアンプラグドに登場!
で、その内容は、期待したとおりです。彼女はまだ、2枚のアルバムしか世に送り出していないが、すでに最高のアーティストと称しても許されるほどの出来。衝撃を受けたのは、Karmaだ。オリジナルアルバム収録のものとは、まったく違う衝撃。情熱的で、たまらない。
ライブ全体を通して、アリシアさん自身が言うように、まさに「心のこもった」ものになっていると思います。
The Diary of Alicia Keys
1stアルバムで強烈なデビューを飾ったアリシア。今回は更にパワーアップした彼女に出会えると思う。前作と同じくピアノの演奏から始まり2曲目に入る瞬間、鳥肌が立ったほどだ。60年代、70年代と現代の音が見事に織りなった作品に仕上がっていると思う。
そしてなによりも、タイトルになっている通りアリシアの感情がより深く表現されていて、歌詞にもじっくり耳を傾けたいものだ。個人的には、(6)If ain't got Youが心に染みた。
The Element Of Freedom
前作でディープなソウル/R&B路線を展開したアリシア。この4作目では、その方向性を大きく転換してきている。
初期に見られたようなヒップホップ色濃いナンバーはすっかり姿を消し、より大きな括りのポップソング集となっている印象だ。客演したJAY−ZVer.の『EMPIRE STATE OF MIND』を、自身の楽曲としてリメイクした最終曲も、アリシア流のメロウな王道スローバラードに、完全に形を変化させて収録している。
また、全編通して感じられるのは、アコースティックな鍵盤よりも、シンセ等のエレクトリックなインストゥルメンツが前面に押し出されていることだ。曲によっては、ビョークなんかのエレクトロニカっぽさを彷彿させるものもあるくらいだ。
つまりは、従来のように、R&Bのフィールドに軸足を固定させての作品つくりに拘ることなく、より開かれた間口を自身の楽曲に与えている、ということじゃないかと思う。
それは、アルバムカバーのアートワークにも表現されているように、僕には感じられる。
前作までは、明らかに、ブラックミュージックの作品であることを意識した、割とダークなグラフィックが使用されていたと思うのだが、今作においては、抜けるような青空と眩いばかりの素肌が印象的な、極めて健康的なものとなっている。
こうした変化に、確かに僕も最初はやや戸惑ったのだが、聞き込んでいくに連れて、やはり彼女の楽曲は素晴らしいなと思えるようになってきた。
アレンジやプロダクションがどう変わろうとも、基本となるソングライティングが完璧だから、すぐにリスナーの側も、音作りの多彩な変容について行ける様になると思うのだ。
前3作に比べ、やや地味な面はあるかもしれない。
それでも、僕は本作が好きになれたし、今までの作品に負けず劣らずの、傑作アルバムだと思う。
リリィ、はちみつ色の秘密 (特別編) [DVD]
DVDの穏やかな絵に子供向けと錯覚してはいけない。二重に重い物語である。時は1964年アメリカ、まだ黒人差別が正々堂々とまかり通っていた時代。主人公のリリイ(ダコタ・ファニング)は4歳のとき事故で母親を銃殺してしまう。その罪を背負いながら14歳になったリリイは、黒人差別に反対した家政婦と共に、母が遺品として残した住所へ旅立つ。そこは黒人の3姉妹が、養蜂で暮らしている家だった。
天才ダコタ・ファニングが10歳台とは思えぬ演技を見せるが、脇役達もすごい。CGがまかり通る映画界で、脚本と俳優の力だけで勝負する映画に賞賛を送る、が、もう一度言う、「これは子供向けではない!」