ワン・フォー・オール,オール・フォー・ワン~東日本大震災チャリティ・アルバム
チャリティーアルバムという製作コンセプトは抜きにして
純粋にTHUNDERSTEEL時代の編成で再結成したRIOTの新曲-9
“Wings Are For Angels”を目当てで本アルバムを購入しました。
そのRIOTの新曲ですが・・・
期待通り、いや、期待以上の出来栄えです!!
かの歴史的名盤THUNDERSTEELからは既に20年以上経過している訳だし
最近までのRIOT(マーク・リアリ)の作曲テンションや、HALFORDでは
超絶ドラミングもすっかり鳴りを潜めたボビー・ジャーゾンベクを
見ていてもここまでの物は期待していませんでしたし、何より一番
加齢による劣化が心配されていたヴォーカリストのトニー・ムーアが
全盛期と遜色ないとまでは言いませんが、ここまで力強いハイトーン
スクリームを聴かせてくれるとは思っていませんでした。
これならば、いつかリリースされる(苦笑)新作にも期待大大大!です!!
ストーリーブック~テイルズ・フロム・ヨーロッパ・アンド・ジャパン~ [DVD]
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのDVD作品。
1997年〜2003年までのライブ映像を中心に、各楽曲をメンバーの解説つきで振り返る。
映像的には年度によってバラつきがあり、ライブ作品としてのみ考えると物足りないが
日本を中心にブレイクしたこの実力派のシンガーと、バンドのコンポーサーたる
エリク・ノーランダーのコンビによる、このバンドの歴史が俯瞰できて興味深い。
音質の方は非常に良好で、実力者ぞろいのメンバーによる演奏はさすが。
1997年前後の古い映像では、まだ垢抜けないラナの雰囲気も新鮮だ。
古き良きプログレ感覚と、ハードロック要素をシンフォニックなアレンジに包み込み
表現豊かな女性ヴォーカルが歌い上げる、このアーティストのスタイルを
多くの映像とともにあらためて感じ取れる作品だ。
キュアリアス・グッズ
セカンドアルバムだが、デビュー作とは作風を大いに異にする作品。前作にあった産業ロック的な聴き易さはどこへやら、ここで聴けるのはストイックなまでに実直で、しかもシンフォニックでプログレの匂いを感じさせる独特の世界観である。
バックも、ほぼ固定メンバーで固め、統一感を出す事をプロデューサーのエリク・ノーランダーははじめから意図していたのであろう。それは見事に効果を発揮している。
後々まで彼女の代表曲となるtrk3,9がハイライトであることは間違いないが、数曲を追加した再発盤では、アルバム全体のインパクトが増している感がある。
改めて聴いてみると、trk5,8,11などにも心惹かれるものがあった。何度も聞き返すうちに魅力が増してくる不思議なアルバムだ。
クイーン・オヴ・ジ・オーシャン
メロディック・ロックの歌姫として日本がその才能を認めたラナの、4作目にして代表作といえる作品。アルバム全体を通しての重厚な聴き応えは風格さえ感じさせる。
個々の楽曲がクッキリとした輪郭と5分を超える長さで重厚に演奏される。エリク・ノーランダーの才気溢れるイントロのtrk1に続き、trk3,4,8といったオリジナル曲で良質のメロディとプログレ的な幻想的アレンジが見事に溶け合った絶妙のセンスをかもし出すさまは圧巻。またマリリオンのカヴァーtrk7などもたくみに配置し、全体のバランスも素晴らしい。ラストの名バラードを知っている人がいたら、あなたは相当のLAメタルオタクですね!(笑)
レイディ・マクベス
シンフォニック・ハードロック界の歌姫、ラナ・レーンのアルバム。2005作
活動10年を超え、ライブアルバムや企画ものなど、膨大なディスコグラフィー数だが
純粋なスタジオ作としては7作目で、マクベス夫人をテーマにしたコンセプト作だ。
正直これまでラナ・レーンのアルバムは楽曲がどれも似たりよったりなイメージで、
むしろバラード集などの企画ものの方が出来がよかったと思うのだが、
今回は壮麗なシンフォニック性とメタリックな勢いとのメリハリがついている。
やはりストーリー性を持たせたせいか、サウンドにはシリアスな雰囲気が漂い、
全体的にも重厚感とドラマティックな要素が強くなっている。
エリク・ノーランダーのアレンジ力も冴えを見せ、パワフルなメタル曲から
ラナの歌声をじっくりと聴かせるシンフォニックなバラードなど、変幻自在。
これはハードシンフォニックファンにも勧められる、聴き応えのあるの濃密作だ。