小早川伸木の恋 (3) (ビッグコミックス)
小早川伸木の恋がはっきりしたところで、話は妻のことになり、さらに同僚の恋にまでいってしまう、という1冊でした。やっぱりいつもと同じようなパターンの男の話だけでは持たなくなってしまったのかなあ。それとも、3人3様ないし4人4様の恋模様がこれから絡み合っていくということなのでしょうか。
少々不安と期待を持ちながら、続きを読むことにしたいと思います。
オリジナル・TVサウンドトラック(Face 2 fAKE他)「小早川伸木の恋」
カナのテーマ、伸木のテーマ、伸木とカナ、愛しいあなたへなどが特に美しいメロディーです。ドラマ、および原作本をみながら聴いています。特に愛しいあなたへは旋律が極めて美しく、曲名の通りに愛しい人に捧げたくなるそんな曲ですから、ドラマに熱中している人はもちろんそうでない人にも一度聴いて欲しい1枚です。優しい気持ちになれますよ。
小早川伸木の恋 (1) (ビッグコミックス)
最近の柴門ふみの関心は30代にあるようだ。今度は35歳の外科医が主人公で、仕事と家庭とにそれぞれ小さなトラブルを抱えている。外科医という職業はやや特殊だが、抱えているトラブルは30代なら誰でも感じるもののようでもある。そして、主人公は決して突っ走るでもなく、立ち止まるでもなく、戸惑いながら、ためらいながら動いていくのである。
今度のこの小早川くんは、一体どこへ行くのだろうか?
小早川伸木の恋 (5) (ビッグコミックス)
主人公(伸木)の妻(妙子)は、感情の起伏が激しく夫への執着心が強い。
夫を自分の傍につなぎとめる為ならいわゆるストーカー行為と感じられるような行動も見境なくおこなう。
しかしながら、自身の気分が良く、夫に対する信頼感に不安がないときは明るく天真爛漫で男性にモテる女性である。
私の勝手な判断ですが、この妻は境界型人格障害であると思いました。
主人公はそんな妻に振り回され、心身ともに疲れ果てていくのだが、妻へ誠心誠意に接し続ける。
しかも外科医という立場で職場での人間関係のトラブルにも誠実に対処しながら。
私はそのような主人公の姿勢に感動しました。
実際、境界型人格障害の気質をもつ人との関わりは苦痛で、相手を憎むこともあります。
相手の性格は変えることが出来ませんし専門家の治療も困難で、専門家が提示する解決策は“相手から離れること。ゆっくり少しずつフェードアウトしていくこと”です。
しかしながら家族であれば簡単に離れることが出来ず、いい距離感を図りながらどのような振る舞いが相手と自分にとって良いのだろうかと悩んでいた私にとって、この主人公のブレない誠実さは凄いと思いました。
結局はこの主人公は、離婚して妻から離れていくのですが、離婚に至るどんな状況(妻の激しい抵抗)に対しても誠実に振舞うことは強い心を持ってくじけそうな自分に打ち勝って幸せを引き寄せられるんだと希望を抱くことが出来ました。
小早川伸木の恋 DVD-BOX
各登場人物の関係がそれぞれ、厚く描かれています。見事です。
普通これだけ関係が多いと、全て薄っぺらくなってしまいそうですが、全てがバランスよく感情移入できる程度に表現されています。
ただ、それがあまりにも見事過ぎるというか、結局、どの関係に興味のある視聴者にとっても物足りないものになってしまっているのではないでしょうか。
私には、奥さんの恐怖と、躊躇いながらのカナさんとの関係が面白かったので、ここに絞って欲しかったです。
原作はどうか知りませんが、病院内の問題は、とりあえず「小早川さんは頑張って仕事しています」くらいにしておいて、上の2つに集中して欲しかった。
奥さんの恐怖をドラマ「ストーカー」みたいに毎回表現してしまうとか。(私も「携帯メール強要」の恐怖は多少経験していますので、あのシーンはリアルにホラーでした。)
カナさんとのシーンも、もっと迷いと情熱がみたかった。挿入歌は流行したあの曲で、とても2人のシーンにハマッていましたので、2人が登場しているシーンだけに流れるとよかったです。
何か、タラレバ的な感想になってしまいました。「惜しい」って印象でしたから。