みんなのうた45周年ベスト曲集~大きな古時計/バラが咲いた~
『みんなのうた』開始からおよそ5年分ぐらいの主だった楽曲を集めたアルバム。番組が始まって5年目に生まれたオレには、当然ながらこれらの楽曲を『みんなのうた』で見た記憶はほとんどないけれど、「学校で歌った」とか「NHKの他の音楽番組できいた」とか、そういった形でなじみのある歌が大部分だ。
中でも、今回ポチる決め手となった、記憶にもあざやかな「サモア島の歌」は、番組開始2年目の1962年に登場した歌で、サモア島を取材で訪れたNHKのスタッフに現地の子どもたちが歌ってくれたポリネシア民謡に、日本語の歌詞をつけたものだという。
自分でもオルゴール・ヴァージョンの着メロを携帯にダウンロードして、アラームに活用しているけれど、とにかくメロディーがきれいで、なんだかよくわからないけれど胸が苦しくなって涙が出そうになってしまう、そんないい曲だと思う。
また、後に野宮真貴さん(ex-ピチカート・ファイヴ)もカヴァーした「地球を七回半まわれ」のイカすゴーゴー・サウンドもオツなものである(「サモア島」「七回半」ともに合唱は杉並児童合唱団)。
このCD、番組オリジナルの音にこだわりのある方にはおすすめはしないが、特にこのあたりの初期の『みんなのうた』は、もともとのオリジナルも児童合唱団などが歌っている場合が多いので、自分としてはあまりこだわりを持たずに、軽い気持ちで聴くようにしている(ちなみにこのCD、モノラル音源や、当時録音されたと思われる、オリジナルに準じた音源もいくつか含まれているようだ)。
オリジナルと違う歌い手の中では、堀江ミッチの優秀な後輩のひとりである、山野さと子さんの歌声が5曲も聴けたのがうれしかった。また、ラストの「バラが咲いた」もオリジナルではないのだが、ユニークな構成の旧い録音で、不思議な感動があった。
ブックレットには、川崎龍彦氏による解説つき。
コテージに咲いたばら (ハーレクイン・ロマンス)
大切な育ての親である叔母を病で亡くし、その後生活に追い詰められても意地と二人づれで頑張ってしまうヒロイン。そして、そんなヒロインがどうにも気に入ってしまったヒーローのお話です。なんとかヒーローとの結婚をもくろむ意地の悪いヒーローの後輩の女医が出てきてヒロインを追い詰めますが、読者からはヒーローがヒロイン一直線なのがよくわかるので、安心して(?)読めます。このお話を読んで判るのが“人の噂”が如何に無責任かということ。たぶんベティ・ニールズはそのことも言いたかったのではないでしょうか。 あと、叔母さんが亡くなるシーンは何度読んでも涙が出ます。
コンクリートに咲いたバラ
彼の直筆の文字を見ながら詩を読んでいると涙が止まらなくなりました。強さと優しさを持った本当に才能に溢れた人だったと思う。
今夏、アメリカの公立学校では推薦図書としてこの詩集が選出されたそうです。
2PACのことを知らない人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
みんなの一五一会 ~唱歌・童謡編
あの「まちぶせ」から23年、ここでの石川ひとみさんは以前と全く変わることなく、本当にさわやかなハイトーンを聞かせてくれています。この童謡集では、皆が知っているようなスタンダードから選んであり、彼女は決して無理をしない歌い方をしているのですが、彼女のアイドル時代を知る者にとっては、飾らない彼女の人柄がそのまま表われたようなアルバムだと言えそうです。また、それぞれのアレンジについても決して奇をてらわず、演奏も一五一会という新しい楽器をメインとする、至ってシンプルな構成にも好感を持てます。
なお、この解説書では、この楽器の弦の押さえ方や音程のようなことが詳細に紹介されていて、ご丁寧にも、歌詞にはそのコード進行表のようなものまで書かれています。
しかし、ふと思ってしまう。この音楽を聴く人たちの中で、果たしてどれだけの人がこの楽器の名前を知っているのだろうかと、そしてそのうち、どれだけの人がこの楽器を弾きこなす機会があるのだろうかと。正直言って私はこの楽器の存在さえ知りませんでした。ここまでして、楽器の弾き方を‘伝授’するのなら、楽器の紹介程度にして、代わりに童謡のエピソードとか、ひとみさんのコメントでも載せてくれればもっと親しみが湧いたのでは・・・と思ったりもしましたね。
でも、これはあくまで重箱の隅をつつくようなもの。いいアルバムですよ。