マッド・シティ [DVD]
コスタガブラス節健在!「Z]や「戒厳令」の
頃の政治問題から軸足を移して90年代後半時に
早くもアメリカ国内での経済格差問題を扱っている。
博物館の警備員をリストラされてしまったトラボルタが
女性博物館館長に復職願いの直談判に行くが、持っていた
ショットガンが暴発。一人の黒人男性を負傷させてしまう。
偶然博物館のトイレにいた地方局のニュースキャスター、
ダスティンホフマンが館長や見学に来ていた地元の小学生たちと
ともにトラボルタの人質に。そして同時にトラボルタと
地元警察とを仲介しての交渉役になる。このパターンは
娯楽映画だったら「ダイハード」そのものだが、本作の
トラボルタは最初から博物館を占拠篭城などと言う意図は
無く、成り行き上こうなってしまった。
しかし、マスメディアにとってはオイシイネタであり
「数字」が取れる。キー局の首脳陣はこの事件を「見世物」に
しようと報道番組をショーアップしてどんどんエスカレート。
トラボルタの全然知らない奴が自称「友人」としてテレビの
インタビューに答え、言いたい放題。単なる「ヤラセ」である。
しかし大衆はそれを知らない。(日本では「マスゴミ」呼ばわり
しているくせに)面白ければ何でも良いので視聴率は全国ネットを
通じてどんどん上がる。てゆーか「メシウマ」状態?
ダステインホフマンはこの田舎町から全国ネットへと
返り咲きを狙っていたのだが「漁夫の利」をかっさらったのが
アシスタントの新米レポーター女子。無名の彼女がゴールデン枠の
全国ネットニュースを通じて実況を伝える。やるじゃないの!
コムスメ!てゆーか「トンビに油揚げ」状態?
トラボルタの最後は「スノーエンジェル」のサムロックウエルと
同じようでいて、実は・・・。
報道ジャーナリズム視点でのエンディングは「Z」を思い出させるが
この映画では事件解決後、博物館から出てきたホフマンにマスコミ陣が
いっせいにマイクを向けて取り囲むシーンを真上から撮影。そのまま
人物たちは静止画になり、パトカーのライトだけが回転しながら
青い光を周囲に投げかけ続けている。
事件は終わったけれど「物語」は続いている。ウオールストリートの
デモが記憶に新しいようにこの「物語」だけが現在進行形。
FINAL FANTASY XII PLAY ARTS ガブラス (ノンスケールPVC塗装済みアクションフィギュア)
いいわぁコレ。
鎧や兜、模様がついてるがただ色が塗られてるだけじゃなくてちゃんと立体的になってるし
色合いも絶妙で渋く、そして雰囲気がよく出ている。
特に兜(顔)の部分は複雑な形状になってて何枚もの素材が重なってて出来てる。
覗き込んだ時は感動した。ここまでやるんかいと。
実はプレイアーツなる物は初めて買ったんだけどすごく満足。
いわゆるアクションフィギュアってどうしても関節部が気になるから嫌いだったんだけど
この全身鎧のカブラスならあまり気にならないし他のキャラも買ってみようかと思いました。
兜の下方向にのびる角と肩のガードが当たって動かしにくいが
なんとかずらせた。二つの武器はひとつに繋げられる。スバラシイ…。
背信の日々(字幕版) [VHS]
冒頭のトークレディオDJ暗殺シーンから一気に引き込まれた。途中主人公のFBI女捜査官がトム・ベレンジャー演ずる白人至上主義者の男と本気の恋に落ちるあたりは甘く流れすぎな感はあるが、全体としては良い意味で通俗的な面もあり、結構ハラハラするし、それでいて米国社会が持つ暗部に光を当てた名作だと思う。コスタ・ガブラスの名前に惹かれ視聴したが、期待は裏切られなかった。
この映画を観れば、何故ジョージ・W・ブッシュなどという小人物が大統領にまでなれたのか、よく理解できるだろう。
マッド・シティ [DVD]
武装宗教団体「ブランチ・ダビディアン」本部軍事介入事件のマスコミ報道をモデルにした映画。
軍隊の武力突入が予想され、全米の興味の的となった同事件。
マスコミは情報が少ない中、視聴者の興味を満足させるため内容を改変し、でっち上げ情報を流し続けた。
1993年4月テキサス州ウェイコで起こった事件報道は、TV局の自主的な報道倫理規制が消滅するきっかけとなった。
当時タブロイド紙は売り上げを伸ばすため規制を廃止、スキャンダラスな憶測記事を前面に出していた。
TV局も対抗上規制緩和を検討中であったが、この事が原因で一気にモラルの低下を招いた。
現在は日本のTVドキュメンタリーも演出で構成されている為、必ずしも真実を伝えているとは言えない。
この映画は「マスコミを信用するな!」が重くのしかかる問題作である。
視聴率至上主義は視聴者の興味を引くため、ニュース・キャスターやスタッフによって事実関係を都合よく歪曲しながら報道を行なう。
ダスティン・ホフマンの姑息な報道記者は、この事件を独占スクープとして利用し三大ネットワークへの返り咲きを狙う。
そのため視聴者に好まれる犯人像を作り上げる演出を行なうが、些細な行き違いで犯人が発砲し事態は悪化して行く。
小心者の犯人ジョン・トラボルタは素直にダスティン・ホフマンの指示に従い、事件の平和的解決を願う。
しかしマスコミによって、自分の思いと違う方向へどんどん追い詰められていく。
そして彼が最終的に取った行動とは・・・
本人は決してその様な事は望んでおらず、マスコミに強いられた結果だと言えるだろう。
視聴者が一番喜ぶ結末として・・・
ダスティン・ホフマンとジョン・トラボルタの名演技は見る者を、これが現実だと信じ込ませます。
そして実在キャスターのラリー・キングの登場で止めを刺す。