ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011- [Blu-ray]
『THEE MOVIE』を映画館で観てのレビューです。
フライングで申し訳ないのですが、まだ劇場でやっているところもあるようなので、
まだ映画館で観ていない人はぜひ観てほしい!というわけで、あえて書くことにしました。
(これから映画館で観る方は、パンフレットも買うことをオススメします)
内容はラストライブの映像を中心に、
いくつかのバックステージ映像、インタビュー映像などから構成されていますが、
『BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN』とはまったくの別物です。
本当にこの上なくシリアスで、素晴らしく、幸せな映画でした。
山崎洋一郎氏が書いていた通り、ロックバンドとは何か、ロックとは何か。
この映画はそれを見せてくれます。
本編に出てきますが、あるTV番組にミッシェルが出演した際、
それぞれのメンバーに「ミッシェルとは何ですか?」と質問がぶつけられ、
アベは「ロックバンドですね」と答えていた。
この短い言葉にはいろいろな意味が含まれていただろう。
アベはいつでも言葉の少ない人だったと思う。
過去に、某ギター誌ではこんなことを言っていた。
「ライブをやって、レコーディングをやって、バンドさえしっかりしていれば、
俺はほかのことはどうでもいいんです」
アベは本当にその通りの生き方をした人だったんじゃないかと思う。
解散という道を選んだミッシェル。内情はもちろん知らないが、
もしかしたらアベは解散したくなかったかもしれない。
ギターを弾くことのできる場所を、バンドという居場所を失うことになるからだ。
アベの悲し過ぎる目を見ていたら、なんとなくそんな気がした。
事実、解散後、ほか3人のメンバーが比較的スムーズに別の音楽活動に移行していったのに比べ、
アベだけは明らかに試行錯誤を繰り返しながら不完全燃焼を続けていたようにも思える。
ミッシェルという最高に輝ける舞台を失って、アベはどんなことを思っていただろう。
これらは私の事実無根の想像でしかないが・・・。
けれど、ロックバンドとはこういうことなのだろう。
そして、最高のロックはこういうところから鳴らされるのだろう。
この映画は決して涙を誘うようなものではない。
けれど、涙が止まらないというシーンがいくつもあった。
チバが「サンキュー!」と叫んだ瞬間、
アベが切れた4弦を一瞬張り直そうとした瞬間、
本当に胸が張り裂けそうだった。
まるで自分があの日あの場所に立ち会っているようだった。
ミッシェルは最後の最後までロックンロールを鳴らし続けた。
私たちは永遠にミッシェルを聴き続ける。
ミッシェルよ、永遠に鳴り響け!
特典映像も楽しみですが、それがなくても十分。
絶対に買うべき!
MUSICATION
ラジオで「Everybody」を初めて聴いた時、「え?これ日本人?日本でもこんなに声に透明感のある男性ボーカリストが出てきたんだ!!」って感動し、早速入手しました。
特に好きなのは「ずっと一緒」(結婚式ソングに決まり!)「Number 2 Heaven」(これは夜、ドライブしながら大音量で聞くと、車の中が小宇宙になって、星が飛び交っているような錯覚に陥ります)「Superwoman」(歌詞は、彼にこんなこと言ってもらえたら女冥利につきる!という内容)
どの歌にも彼の持つ声の優しさが溢れていて、ほんとに癒されます。
デジタルな伴奏やグルービーな歌い方と「癒し」が同居できているのが驚きです。
だから、聴いていて疲れないんですよ。
テレビでjujuさんと歌っているのも、ソロで歌っているのも見ましたが、CDと変わらずにいい声、いい歌唱。
多分、伴奏なしで歌っても、いっぺんで人を魅了することができる歌手だと思います。
BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN [DVD]
thee michelle gun elephant の2003年10月11日のラストライブ。
4人の鳴らすロックンロールのかっこよさにひたすら打ちのめされる。
初期の曲からラストシングルまで、見るたびに踊り狂ってしまう。終盤、嬉しそうに客席にマイクを向けるチバがとても印象的だった。
最後『世界の終わり』は、ロックの歴史の1ページに刻まれた瞬間だと思う。