ピアノ
クラムボンのイクコちゃんってイメージでしたが、クラムボンを離れての初のソロアルバム。
作詞、作曲ともクラムボンメンバーを離れての構成で、クラムボンファンの人も違和感なく、初めて聞く方もなごやかに、楽しめる曲です。
ソロだから、と肩に力が入りすぎることもなく、適度にゆるやかな、いいかんじ。
おやすみの日に、ピクニックにいく車の中でかけていたい、そんな一枚です。
トリツカレ男 (新潮文庫)
「ジュゼッペ、おーいジュゼッペ!」
この愛すべきジュゼッペ(トリツカレ男)がなにかをする度に、私は心
の中でそう呼びかけます。
【いろんなものに、どうしようもなく、とりつかれてしまう男、ジュゼッペ
が無口な少女に恋をした】
最初本の帯に書かれていた簡単なあらすじを読んだとき、一体どうなる
んだろうとドキドキしました。
だってトリツカレ男(そのトリツカレっぷりは普通じゃないです)が女
の子に恋するんですから。
もしかして、すっごくすっごく何度も何度もしつこいぐらいつきまとっ
ちゃうんじゃないか…、と心配になったものですから。
でも、それは違っていました。
本当に好きになった人のためには自分のことよりもまず相手のことを、
相手のことだけを考え行動するジュゼッペの姿に、
「どうしてそこまでやるの?」
と問いかけながら、私は涙が止まりませんでした。
人が人に出来ることはそんなに多くはありません。
だって人はやっぱり自分が一番大切なものですから。
ジュゼッペは、立ち止まり前に進めないでいたペチカ(恋した少女)に
人が出来うる最上のものを贈ったのです。
ぶらんこ乗り (新潮文庫)
読んだあと、ふいに涙がこぼれた。弟の心の奥に隠された悲しみ。
笑顔の陰にあった、ガラス細工のような繊細な心。夜、一人ブランコの
上で寂しさに震えながら、彼は何を思っていたのだろう。誰もそれを
理解することはできなかった。この作品の中に挿入されている、弟が
作った物語。その一つ一つも心にしみる。いしいしんじの独特の
世界は、私を不思議な感動で包んでくれた。
ある一日
以前、『みずうみ』でひどく感動したのを思い出す。
3つの物語がパラレルで走るんだけど、実は全部つながっている。
最後の物語は、いしいしんじと園子さんの悲しいエピソードで
途中から胸が痛くなるんだけど、ラストの1ページがすごく素敵な終わっていて大好きな作品だ。
そして、まさにその続きが今作。
いしいしんじの「ごはん日記」でもよくわかるけど、
園子さんの偉大さが良くわかる。
本当に、同じ赤ちゃんを持つ母として心から尊敬します。