週刊真木よう子 中野の友人 [DVD]
出た!山下監督汁が出まくりの逸品。
極端に台詞が少ないのに、泣かせるあの不思議な世界は
たった30分のドラマにもちゃんと健在。
そして真木よう子は、やっぱり天才的な女優なのだった。
初期のいましろたかし―ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ+その他 (Big comics ikki)
パッと見で第一印象の大半は決まるという。
例えばこの本がとある男子大学生でどっかの女子大生と合コンしたら、よっぽどの不細工好きじゃないと相手にもしないだろう。
そんくらい絵はキタナイ、デザインはバランス崩れててとっつきにくいマンガであるのだ。
が、である。このいましろ本を、有名作家の書評を読まずにぱっと見だけで買おうと思った奴は多分、今後の人生で大金持ちにはならないと思うがいわゆるみんなの人気者的存在から愛され続けるであろう事を予言します。
ブキな男の、まんまの姿とおかしさをこれほど見事に貧乏くさくいとおしく浮き出している物語は1990年代からでは無い。
つげ義春を超えてるかも。人間、特にオトコが知りたい人は必読です。
とはいってもホモマンガではないのであしからず。
引き潮 (ビームコミックス)
脱力感マックス。
緊張感ゼロ。
なんでもない日常を、なんでもなく描くショートストーリー集。
何ともいえぬ虚無感。
力が抜けすぎています。
のびきったうどんのよう。
一種の極地に達したのではないでしょうか。
好みは分かれるが、いましろ作品に漂う空気感が好きな人にはたまらない作品だと思います。
・・逆に、明日からがんばろうと思える一冊。
最高です。
デメキング [DVD]
地元で撮影した映画ということで遅ればせながらご紹介。原作漫画がある映画とのことですが、これ怪獣映画です。舞台は1970年瀬戸内の寒村田ノ浦という町で、中2の亀岡ひろしは小学生3人と「田ノ浦探検団」を結成。無為な日々を送る。探検といっても幽霊船さがしごっこのような感じだ。
そんなある日、将来の展望もなく田舎でくすぶっている青年蜂谷浩一とひろしたちは出会う。噂の幽霊船の船倉で出会った蜂谷はここにある鎧兜や刀は「デメキング」を倒す為や、という。デメキングって何?というひろし達は蜂谷にはぐらかされる度にデメキングに関心を寄せていく。
スタンド・バイ・ミーのような夏の冒険を描いたジュブナイルなのか?と思いきや実は蜂谷浩一は誰にも理解されないある秘密をひろし達に打ち明けるというミステリアスな仕掛けが中盤に用意されている。
自分の住んでいる町に怪獣が来て町が蹂躙される。私の個人的に夢のかなった作品。円谷怪獣や東宝怪獣のような自衛隊も大挙迎え撃つという派手な作品でもないし、光の巨人が退治してくれる訳でもない。そういう意味では「LOST」のJ・J・エイブラムスの「クローバーフィールド」に近い作品。なぜなら、最後にひろしは「平成30年なんて自分ら死んでるかもしれない遠い未来や」とこぼす。これはイマジネーション
に問いかけるとても怖い仕掛け。絶望の未来など誰も夢にも思わないというクロージングがデメキングには用意されている。
個人的には、今度統廃合で廃校となる私の母校がフィルムに残ったというだけでありがたいなぁと思いました。ただね、ゴーガというウルトラQに出てきたやつを知る古いファンには、ちょっと嬉しいかな。