マンガ 心が強くなる「般若心経」 (知的生きかた文庫)
般若心経は暗譜(じゃなくて暗唱・暗誦)しているくらい好きで、般若心経に関する本は5冊くらい買って読んできたが、それらの本の中でこの文庫本は一番小さくて、一番やさしくて(マンガで書いてあるので易しく見える。)、実は一番深い。
般若心経の本の見分け方は、「空」の概念を如何に書いているかでその深さがわかる。この文庫本は、なんと空の概念に30頁も費やしている。(p30〜p61)
ただ論をまくしたてるだけではなく、反論や反発も交えながら説いているところがよい。生物学や物理学の分野にまで及びながら、空の概念を述べている。とても深く、納得できるし、何度も読んで熟考してみたくなる。
それだけではない。なんと、この本の著者は、「月光仮面」・「エイトマン」の桑田二郎先生だとは。・・・・(絶句!)
エイトマンには幼い頃、お世話になりました。
般若心経に興味を持つ人はもちろんのこと、・・・
また、エイトマンファンには、ただそれだけで、必読必見の書となるのではないでしょうか。
ただ、念のため付け加えれば、
この本の般若心経解釈への私の高評価は、作者がエイトマンの創作者だと知る前の段階で感じたことなので、
エイトマン・ファンのバイアスが掛かった故の高評価ではなかったということを付して筆を擱きたい。
マンガで読む般若心経〈2 色即是空篇〉 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)
空とは、存在の本質というものが無く全てがお互いに依存して成り立っているという事実を指す、というのが私の理解です。しかし桑田氏の言う空は「魂の世界」や「超存在」という言葉が使われていることからもわかるように、この世とは別の世界が「有る」という主張のように見受けられます。ご本人も、空の世界をこの世の価値観で描写することの危険性については自覚していますが、私には釈迦が語らなかったこと「無記」の態度を逸脱して抽象論に入り込んでしまったように思います。しかし、全てに実体がないという私の空の理解では、なぜ無や空を自覚した人間に慈悲の心が生まれるのかという謎、なぜニヒリズムに陥らないのかという謎は残ります。このように、著者の主張は受け入れられないものの、空について自分の理解と対比して考えることができたという点を評価して星3つです。仏教者であった弁護士遠藤誠氏のあとがきにも私と同じように、空の理解が違うと前置きした上で桑田氏の世界観に一定の評価を与えていました。
エリート【完全版】 下 (マンガショップシリーズ (17))
サンコミックス版(サンワイド、文庫版でも同じ)で、どうしてもつじつまがあわない部分があり、単行本化時にカットされていることは予想できたが、まさかその部分を読めるときがくるとは!!
また、ストーリーに影響のない程度にカットされた部分も完全に復元しているのも、嬉しい限りだ。
マンガで読む般若心経〈1 運命・宿命篇〉 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)
般若心経はとかく難しく思われがちですが、マンガを通して面白く、分かりやすく、理解することができました。特に、一般的に出回っている般若心経の解説に陥りがちな間違った空の意味を正しく解説しているように思われます。やはり瞑想の実践から得られる経験を元にしているところが強みでしょう。どんなに言葉の意味を理解しようとしてみても、言葉では解決できないところもあるのかもしれません。体感することが第一歩なんでしょうか・・・。
桑田次郎アダルト短編集 サングラスをはずさないで (マンガショップシリーズ (117))
子供のときに大人の漫画雑誌を立ち読みしていたら桑田次郎氏の作品が載っていて、8マンのサチ子さんと同じ顔の美女がエッチなことをしている描写を見て興奮したのを憶えている(そのときの作品はこの本には載っていなくて、もっとエグかった)。載っている15作品は1968年から78年(昭和43〜53年)のもので、ほとんどの作品が殺人を扱っていて結末も暗いのはやはり拳銃所持で逮捕された影響なのだろうか。ペンのタッチが時と共に変わっていくのを知るのも面白い。