DVDビデオ・ワークショップ・シリーズ DVD版 ジャンゴ・ラインハルト奏法 ジプシー・スウィング・ギター
コード進行からフレーズ集まで至れり尽くせりだ。DVDのメニューもわかりやすくて実践的。この教本をしっかりやれば、マヌーシュ・スウィングのスタンダードナンバー「マイナースウィング」のフルコピーが弾けるようになるはず(ぼくは指がついていかないので無理ですけど)。
タブ譜にケアレスミス(フレット番号が違う)があるが、おそらく初心者でも気がつく範囲のものだろう。
ジャンゴロジー~スペシャル・エディション
とにかく素晴らしいの一語に尽きる。ピーターフランプトン等、多くのロックアーティストにも影響を与えたジャンゴの演奏を騙されたと思って是非ぜひ聴いてみてほしい。内容は正しく佳曲の大行進で、リード楽器として強力な僚友グラッペリのバイオリンを向こうに回して、旋律を奪い合うスリリングかつ歓喜爆発の"After You've Gone"が凄い。バッキングでのミュートの効いたパーカシッブなプレイも含めて狂おしいまでに情熱的だ。まるで夫婦のように息のあったジャンゴとグラッペリの演奏に加えて、間奏の叩きものが格好いいミディアムテンポの"Swing '42"、伴奏にまわってもジャンゴの演奏の嬉しそうな事といったらない。艶やかなバイオリンの音色に呼応するような"La Mer"の哀愁漂うリリカルな演奏にも魅了される。
全体を通して感じるのは小賢しいスタンドプレイや暗さがなく、音楽を奏でる喜びに溢れている事だ。聴いていてとっても幸せになれる一枚である。古い音源なのでマスタリングの効果はあまり感じられないのだが、デジタル時代の現代でもこうして生き続ける音楽に出会えるのは幸福以外の何ものでもないと思う。コストパフォーマンスも言うことなしでオススメです。
Django Reinhardt Definitive Collection (Guitar Recorded Versions)
非常にしっかり製本されており、見やすくかつ初心者でも分かりやすいようにTAB譜も記載されています。伴奏も併記されていますのでパートナーと演奏する方にもおすすめ!!全20曲練習してジャンゴになりきっちゃいましょう。やはり音楽には耳で聴いて練習するということが必要ですので、CDが付属していないということで星4つとしました。
ただ、この内容でこの値段はとってもお安いと思います。是非CDを購入してこちらの楽譜を見ながらギターでSWINGしましょう。
Django Reinhardt: Know The Man, Play The Music (Fretmaster)
TAB譜の正確さという点では若干難あり。ジャンゴの奏法(左手は人差し指と
中指のみ使用)では明らかに弾けないポジションを指定している点が数箇所あります。
しかし、これをジャンゴならどのポジションを選択するか、ということを自分なりに
考えてみるには良い素材とも言えます。
収録曲は代表曲かつ、それほど難易度の高くない曲を選択している点も好感です。
【収録曲】
1)Djangology (1935)
2)Sweet Chorus (1936)
3)Bouncin' Around (1937)
4)Minor Swing (1937)
5)Honeysuckle Rose (1938)
6)Nuages (Dec 13, 1940)
The Classic Early Recordings
ジャンゴ生誕100年だからといって、格別ジャンゴの復刻CDが次から次へ発売、ということではないようで寂しいが、すでに多くのCDがカタログにあるという事情も影響しているかもしれない。
しかし、それでは満足のいく素晴らしい復刻が手に入るかというと、そううまくはいかないようだ。
ジャンゴ研究家にでもなろうかという人向きには、FREMEAUX & ASSOCIESのINTEGRALEという全20巻40CDの全集が良いと思うが、実際には完璧に網羅しているわけではなく、しかも、日本ではかなり入手が難しい。
このJSPのセット物5箱のシリーズは、上記の仏盤に次ぐ充実ぶりで、アコーデオンの伴奏やシャンソンの歌伴までは必要ない、という人にはぴったりだ。再録技術も優秀で、値段も安い。ただし、録音日付順に並んでいるわけではない。
次に位置するのはメンブランの10枚組と米DRGの「アメリカン・フレンズ」(3枚組)か仏EMIパテの20枚組のどちらかだ。どちらも最初期及び最晩年は含まないが、パテ盤はブリキのバケツの中で鳴っているような音がしないでもない。さらに、ホーキンスとのスターダストが、クレジットはされているものの、実際には収録されていない。ガーネット・クラークとの同曲がだぶっているのだ。これはいただけない。やはり、内容、金額からいっても前者の組み合わせか。
10枚なんて聞き通せないが、ちょっと聞いてみたいという人には英DEJAVUの5枚組が良いだろう。ちょっと色を付けすぎているかなという気のする音質だが、値段も安いし、絶頂期の演奏でまとめられているので、特別なファンでない限りは、これでも十分楽しめると思う。他でめぼしいのは、英プロパーの4枚組。これも素晴らしい選曲で楽しめる。