ラフ・アンド・レディ
71年発表。ボブ・テンチ(vo)、マックス・ミドルトン(k)、クライヴ・チェアマン(b)、コージー・パウエル(Dr) による第二期ジェフ・ベック・グループの第一弾。交通事故によって2年間のブランクの後に発表された作品だったが、実力者を集めただけのことはあり、彼の代表作の一つになっている。独特の明るさを備えたファンクやフュージョンを消化したサウンドは彼のそれまでの音楽遍歴からするとかなり異色ではあるものの、ジェフのギターも独特の粘りを出してそのサウンドに見事に調和している。またピアノの名手マックス・ミドルトンを獲得したことは大きく、彼のプレイは言葉を失うほどの素晴しさだ。黒人のヴォーカリストであるボブ・ランチのソウルフルな歌声もなかなか味がある。
1.はメロウかつディスコっぽい雰囲気を持った曲であり、ボブの素晴しいヴォーカルが曲を盛り上げている。2.はオーケストラをバックに付けた?かのような重圧なオケが印象的なファンキーな一曲。楽曲、ベックの素晴しいギター・ソロと共にアルバムのハイライトの一つだろう。4.はタイトル通り、マックス・ミドルトンの素晴しい鍵盤ブレイが楽しめる曲だが、完全にフュージョン。7.もフュージョン・タッチのバラードである。
タイトなリズムをキープするリズム隊も派手ではないが素晴しい“自己主張”を繰り広げていて聞きどころは多い。
ライヴ2004~ラフ・アン・レディ [DVD]
現在のWHITESNAKEではなかなか聴けなくなった初期の名曲が、オリジナルメンバー3人の手によって、まるでコピーバンドの如く演奏されている。元RAINBOW/YNGWIEのDOGGIE WHITEと、STEFFAN BERGGRENをゲスト・シンガーに迎え、それぞれがDAVID COVERDALEに似せて歌っているので違和感が少なく引き込まれる点は満足がいくだろう。M3としてのオリジナル曲が含まれて居ない点はマイナスだが、バンドの成り立ちから考えればこんなもんだろう。
本家程の熱気は無いが、ジワジワと染込む感覚は素晴らしい。もう一つのWHITESNAKEとして楽しんだ者勝ちな一枚。
「天使にラブ・ソングを1&2」オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
発売後、数年経つと廃盤になってしまうサウンドトラックというカテゴリにおいて、廉価盤とはいえ、今なお店頭に置かれ、かつ一定の支持を得ているこの作品は、やはり名盤だったのだと思います。
映画本編も(残念ながらジンクスにはまって2作で終わってしまいましたが)エンタテイメント作品であると同時に、爽やかな感動を覚える秀作。サウンドトラックには、それぞれの劇中で歌われた合唱曲がほぼそのままの形で収録されているのが嬉しいです。
おそらく、「天使にラブ・ソングを…」を愛するすべての人がこの作品に引き込まれるきっかけとなったに違いない Part.1 の「5. Hail Holy Queen <ヘイル・ホーリー・クィーン>」、みんなが一緒になった軽快な「8. My Guy [My God] <マイ・ガイ[マイ・ガッド]>」、フィナーレにふさわしい、荘厳で美しいとともにとびきり明るい「12. Finale : I Will Follow Him ("Chariot") <フィナーレ:アイ・ウィル・フォロー・ヒム」 、また、Part.2 では「4. Oh Happy Day <オー・ハッピー・デイ>」、「11. Joyful Joyful <ジョイフル・ジョイフル>」がこれに当たります。
その他の選曲も、けっこう渋い曲を選んでいて、単なるサウンドトラックではない広がりを感じるものに仕上がっています。歌を重ねるにつれてどんどんレベルアップするウーピー・ゴールドバーグのソウルフルな歌声もよい彩りを与えています。