乱暴と待機(初回限定版) [DVD]
作品の世界が、かなり独特ですので、ダメな人は、オープニングカットから、画的にも、音的にも、生理的に受け付けないような気がします。好き嫌いが、ハッキリ分かれそう。
変わっているけれど、本人たちは、自分たちが変わっているとは気づいていない男女4名のお話です。
カセットテープ編集と覗きが趣味の英則(浅野忠信)、他人の機嫌を気にして誰とでもHしてしまう奈々瀬(美波)、結婚しているのに無職で、浮気者のダメ男番上(山田孝之)凶暴(実は優しさも持っている)な女あずさ(小池栄子)文字で表現しただけでも世間の常識からは少しずれている。こんな4名の日常をスクリーンに淡々と映しだしていきます。
世間から隔絶した様な生活を営む英則と奈々瀬の住む長屋に、番上夫婦が越してくる。フツーの神経なら英則・奈々瀬ペアに、ちょっかいは出さないだろうが関わっちゃうのが番上ペアの『ビミョーに外れている』たる所以。つまり、展開するすべてが一般社会から乖離しています。(笑)
「男性と距離を置く」目的で髪を2つに結び眼鏡を掛け、ジャージ姿で過ごす奈々瀬は、逆に『萌え』対象になり得ている面白さ。
自分が好きになった男を奈々瀬に取られたあずさは、奈々瀬を赦さない。自転車を外から部屋に放り込むなんてことをやっちゃう。その乱暴さは、やっぱり実社会と乖離している。で、奈々瀬はそれを怒らない。このいきなりのシーンで、双方の性格と間柄と心境を一瞬で表しきる凄さ!!
中盤から終盤にかけては、当事者にとっては全く笑えるような話ではないのに、傍観者である観客からは、笑えて仕方のないシーンが連発。山田孝之の囁きセリフ、浅野忠信の硬質なクソ真面目セリフ。時折、昔のコントのような出来事や、効果音が挿入され、笑いに華を添えてくれています。といっても、シュールな笑いで、爆笑はできませんけど。
何もかもをめんどくさい方向に持っていく、メンドクサイ女を演じた美波の怪演がすごい!! オドオドドギマギした表情が絶妙だし、美人がここまでやると、ほんと気持ち悪くて凄い! 小池栄子のサバサバ演技も上手いし、浅野忠信の少年がそのまま大人になってしまったような演技も凄い。山田孝之は、他の出演作品でも同様の役をやってたような気がしますが、もう、最低な男ぶりが板についている。「クローズ」「十三人の刺客」なんかカッコ良かったんだけどね。(笑)
ラストは、イイ話っぽく終わってる様に見せて、実は異常な関係がよりガッチリと強固なものになったという、ろくでもない結末だと思います。(笑) いや、面白かったですけど。
DREAM PRICE 1000 西田敏行 もしもピアノが弾けたなら
釣りバカと、個人的には昔1242KHzのラジオで何か話していた、
そんなイメージが兎角先行していた西田敏行氏でしたが、
曲を聴いてみるとこれが驚き。落ち着いた、なかなかいい声です。
曲について云えば、「もしもピアノが弾けたなら」を筆頭に、
切なかったり、優しい感じの曲が盤を占めてます。歌の歌詞と
氏の声質がうまくかみ合っている、聴いてみてそう感じました。
巧く云えませんが、恋愛に係る歌でありながら嫌味が無い感じです。
NHK みんなのうた [DVD]
2004年にユーキャンから発売されたDVD-BOXで、外装が変わっているのとVHS販売がないのが今回の特徴です。
内容は全12巻で全168曲入りですこれまで再放送してない映像も一応あり内容としては充分です。あとおまけとしてミニクリアファイルが入ってます。白くて所々にキャラクターが印刷されていました。
ただ前回のBOXを持っている方や、03年以降の作品が 好きな方にはイマイチかも知れません。個人的に好きな曲は第4巻の「アビニョンの橋で」、第5巻の「赤い花 白い花」、第7巻の「ヒロミ」、第11巻の「メッセージ・ソング」、第12巻の「ママの結婚」、他にもありますがファンにも人気の曲「赤い花 白い花」や「ヒロミ」、自分がリアルタイムで見てて感動した「メッセージ・ソング」、「ママの結婚」などに 深い思い入れがあります。
みんなのうたが好きで今年50周年記念なので買おうと思ってる方には最高の内容だと思います。半分以上は一度は聞いたことのある名曲ばかりですし、自分が幼稚園や小学生の時にリアルタイムで見ていた昔の記憶を思い出させてくれます。
乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
壊れた人間を描かせたらたぶん日本一の作家、本谷有希子が描く恋愛小説。
「お兄ちゃん」の復讐をただひたすら待ち続ける奈々瀬と、理由もなく奈々瀬への復讐方法をひたすら考え続ける英則。そんな奇妙な二人の生活の場に、ある日、一組のカップルが割り込んできて……。
四人の視点で物語を語るという、ちょっと変わった趣向で、人の壊れている様子が描かれます。
また四人が四人ともみんな「どこかおかしい」人なのはさすが本谷有希子といった感じ。
いつもとやや違い、壊れているというよりは「変態」な人が出てくるのも面白かったです。
もっとも、視線を変えて深読みしたり、まっすぐに読むとすぐさまとても怖い小説になります。この辺、どう読むかは読者次第なのではないでしょうか。
個人的には、彼女にはこの路線をまっすぐ突き進んで行って欲しいです。
あとタイトルは「復讐」でよかったような気がしました。
ゴールデン☆ベスト 石川セリ シングルス・アンド・モア
過去何度と無く『石川セリのベスト』と称して出されてきたCDには、フィリップスレコードでリリースされた12枚のシングルA面曲が網羅されているものがありませんでした。しかし、この『石川セリ ゴールデン☆ベスト』でやっとシングルA面曲を全て網羅したことにより、オリジナル・アルバム未収録の「ガラスの女」とそのシングルB面「うしろ姿」が初CD化されました。また、キャニオンレコードから出されたデビュー曲「八月の濡れた砂」やユーミン作詞・作曲の「朝焼けが消える前に」や井上陽水作曲、レコーディング参加の「気まぐれ」収録とかなりファンには納得のいく内容になっています。そして、それらの曲を1985年のフィリップスレコードでのラスト・シングル「いろ、なつ、ゆめ ~彩 夏 夢」から、ほぼ発表順に遡った曲順と拘り(?)を感じさせてくれたり、CDブックレットの表IVで全てのシングルのジャケ写を配置したり、解説がついていたりと価格的にも満足の一枚です。