天の瞳 最終話 (角川文庫)
灰谷先生の遺稿ということもあって、分量はかなり少なくほぼ前作の続きを少し先まで読めたという感じです。おそらくですが、推敲などもあまりされた形跡がなく、終わり方も本当に文節の途中で切れて終わっていますので、逆に生々しいです。なんだか灰谷先生のお墓参りをしているような・・・なんでしょう、読んでいてとても寂しく、でも心の中で「先生、ありがとうございました」と言っている自分がいました。
ここまでくると内容のクオリティうんぬんに言及するのはナンセンスで、「天の瞳」の世界に少しでも長く触れていたい人は是非買って読んでください。著者のライフワークが未完で終わったことは本当に残念に思います。
兎の眼 [DVD]
素晴らしい!!
タカをくくって見始めましたが、いやあ、
すっばらしい映画でした。
関西の貧困都市部へ赴任した壇ふみさん
演じる先生と、小学校の生徒たちの
涙ぐましい触れ合いと格闘・・・・。
新克利さん演じる教師ともども、
これこそ教育者の鑑だ!
と言いたくなる奮闘の模様を、
ある時はシリアスに、ある時はメルヘンタッチで描いた、
「キューポラのある街」以上の快作です。
こうゆうことこそ、「人間関係」だ、と感じさせられました。
ドラマも映画もこれ、といって残っていない
壇ふみさんの若き日の凛々しさ観られるだけでも
価値あり、です。
僕の中では「典子は今」に並ぶシリアスメルヘンの
傑作ですねえ。
あ〜これダウンタウンの松本人志さんにみせたい。
号泣するやろなあ、自分たちの子供の頃思い出して。
ヒューマンな感動とはこういうもののことを
言うのです!!
太陽の子 (角川文庫)
わたくしは戦争というのをしらない。
特に「沖縄と戦争」
どうゆう話なのかしりたかった。
灰谷さんの本は随分と読みました。そして、いつもどうして
人間は戦争をしてしまうのかと、疑問ばかりがうかびます。
今もこれからも多くの人が灰谷さんの作品を読み悲しみや
小さな庶民の生活までも失ってしまう、この「戦争」を
考えてみてほしい。
世界中からなくなる日はくるのであろうかと、こころが
くもってしまいます。
兎の眼 (角川文庫)
泣きました。電車の中でしたが、泣いてしまいました。
昔読んだことがあったはずなのですが、驚くほど新鮮に読めました。
子供と先生の、というより、人間同士の心の交流が、鮮やかに描かれています。やさしく、そして軽やかなテンポで、胸にしみてくる珠玉の名作。亡くなったのが本当に惜しまれます。
太陽の子 [DVD]
灰谷健次郎の同名の小説が映画化されたもの。
小説にはなかった、お父さんの過去などが描かれている。
お父さんが沖縄戦でどのようなことがおこったのか、などが見えてきて
ラストなぜああなったのか、がわかりやすくなっている。
穿った見方をしてしまうと、ふうちゃんのせいでラストああなってしまったかのようにも見えてしまうのが残念。
ふうちゃん、キヨシ、ろくさんなど映画初出演の役者さんたちを使い
リアリティが出ている。
ところどころ出てくる沖縄民謡。意味がかいてあってわかりやすい。
本だけではわからなかった雰囲気が素敵な演出。
ラスト、天皇誕生日の皇居の様子がテレビで映し出されているのは
よけいな意味をもたせてしまうので蛇足かと。
全体的に、沖縄・昭和の美しさとその悲しさの対比が素晴らしく
いい涙が流せた作品でした。