アン・プリヴェ~東京の休暇
クレモンティーヌの快進撃の始まりと言っても過言ではない逸早く当時東京を席巻していた渋谷系アーティストとのコラボ盤(1192年)。
彼女の敏感なアンテナというか悪く言えば小洒落たものに対する節操のなさは、その後ボサノヴァやハウス系などある種批判的にも取られていくわけだが、この時点で日本人とやろうと思ったその瞬発力はやはり買うべきだ。このアルバムの参加メンバーを見ると、オリジナルラヴの田島貴男、フリッパーズの小沢健二、ピチカートファイヴの高浪敬太郎といういわゆる渋谷系御三家のメンバーが期せずして勢揃いしているところもすごいアルバムだ。そういう点でも今聴いてどうかという以前に、やはり時代を切り取ったエポックメイキングな作品と言えるだろう。数あるクレモンティーヌの作品の中でもも、ベン・シドランとやった作品(こっちは非常にパーソナルな作品)とこれはやはり外せない。その後、もう一度日本人がらみのアルバムをやっているが、そちらも悪くはないが、やはりこちらの衝撃度(音はすごくソフトだけど)には分が悪い。