Russian Cossacks: Songs
ロシア民謡を集めたCDは結構人気があって多数発売されています。 このCDはその中でもマニアックなCDと言って良いのではないでしょうか。 ライナーは曲目のみなので詳しい事はわかりませんが、どうやらコサックの歌を集めた物のようです。 M1〜7は、ヴォルガ・コサックス、M8〜14は黒海コサックスによる演奏です。ヴォルガ・コサックスは全体的に軽く、ソリストも弱く微妙な仕上がりです。 黒海コサックスは有名所に比べればまだまだですが、ロシアの合唱特有の分厚いバスも聴けますし、なかなか健闘していると思います。 とはいえ、マニア向きのCDでしょう。 録音年の記載はありませんが、かなり古い録音のようで、ちょっと音が悪いです。
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いつもながら、知的で格調高い演奏が聴けますが、ここではスタジオでの収録というせいもあるのか、この時期の演奏としては珍しく、コントロールの行き届いた落ち着いた演奏になっています。モノラルながら音質も映像も明瞭です。
写真では判らなかったことですが、動画で見ると、表情の1つ1つ身ごなしの1つ1つに気品と儚さ、ロマン的な雰囲気のようなものがたちこめていて、これでは生前熱狂的な人気があったというのも無理からぬ話です。こんな姿を見て、こんな演奏を同時進行で聴くということからすると、彼のステージに接するというのは、多くの証言にあるように特別な体験という以上のものがあったのでしょう。身も心もどうかなる人がいてもおかしくはありません。
つまり演奏者は極上なのですが、不必要に動かしたカメラワークや、今となってはただ古いだけの演出はまだいいとして、全てのトラックでピッチが半音近く高いため、聴けたものではありません。演奏と映像がよいだけに余計目立ちます。
もちろん、それが気にならない方には全面的に推奨できるものですが。