天井桟敷の人々 [DVD]
なによりセリフが素敵すぎて自分で言ってみたくなります
私の場合、もう見てる途中で
これ絶対もう一回見たいわ!ってなりました
もっと早く見ときゃよかった
ジャンルイ・バローにも惚れた
天井桟敷の人々/嘆きのテレーズ [宝島シネマパラダイス・DVD2枚組]
「嘆きのテレーズ」目当てで購入しました。傑作と世評の高い作品であるのは前々から知っていたのですが、テーマがいかにも重く、なんだかイヤ〜な気分になりそうで、ずっと見るのをためらっていたのです。
しかし、今回意を決して購入してみると、これがなんと、あまりの面白さにぐいぐい引き込まれて、ラストまで一気に見てしまいました。物語自体は噂通り本当に深刻で、救い難いものなんですよ。なのに暗さを暗さと感じさせない。息もつかせぬエンタティメントとして、時間を忘れて楽しめてしまう。すごい、と思いました。こんな暗い話をこれだけ面白く見せてしまうのは、もはや監督の手腕以外にないな、と。
以前の私と同じように、この映画を、きっと暗かろうと食わず嫌いしている方。そういう方にこそ勇気を出してぜひ見ていただきたいと思います。天下の名作「天井桟敷の人々」と2枚組セットでこのお値段ですから、超、超、超、お買い得。絶対満足していただけるはずです。
天井桟敷の人々 HDニューマスター版 [DVD]
この作品は、圧倒的な評判を集めて今や記念碑のような扱いをうけているのではないかと思います。
後の映画作品はおろか、舞台演劇等に幅広く影響を与えているのが一度ご覧になれば判ると思います。
少し映画を齧った人ならば、まずこの作品をベタボメします。
そういうことで、いつの間にか敷居が高くなってしまっていますが、改めて拝見してやっぱり良かったですね。
パリの雑踏。猥雑さ。パントマイム。一目ぼれの相手。結婚して子供ができても、6年ぶりに再会してわれを忘れて追いかけてゆく主人公バチスタ。
シャンソンのような恋。何もかもが憧れの対象です。
今の映画の技術に比べると古めかしさはあるのですが、逆にそれが芸術的に思えてしまうのです。
映画の中ですばらしい舞台劇があります。舞台劇というのは時空を超えますね。
そのせいか、輝きが増すことはあっても衰えることはないです。
本当にフランス映画というのはハッピーエンドではないんですね。雑踏に埋もれてゆくラストシーン。
人生のほろ苦さを漂わした大人の映画だと思います。
天井桟敷の人々 [DVD]
1945年第2次大戦中ナチス占領下のパリで、当時としては破格の16億円をかけて製作されたという。全体は2部構成(第1部:犯罪大通り、第2部:白い男)になっており、3時間を越える上映時間の間にインターミッションが入るというこの超大作には、いわば国家の威信がかかっていたことは間違いなく、そのフランス魂を感じながら映画を熟視すると、見ている方がぐったりしてしまうほど中味がつまった1本だ。
天井桟敷席で身を乗り出しながらヤジをとばす観客をはじめ、犯罪大通りを埋め尽くす群衆のパワーが横溢している作品ではあるが、不思議とナチスに対する恨み節を感じることはない。(やせがまんなのかもしれないが)むしろ後世の残る作品を撮り上げようとするマルセル・カルネ以下製作陣のなみなみならぬ意気込みを感じる。「愛し合う者にパリは狭すぎる」など数々の名言が散りばめられたジャック・プレヴェールの脚本も、かのシェイクスピアを相当意識して書かれた跡がうかがえ、“オセロ”を鑑賞した伯爵に「庶民向き」などの酷評をわざわざさせている。
マドンナのガランス役に当時47歳のアルレッティを起用した点には?が残るが、天才パントマイム役者(ジャン=ルイ・バロー)をはじめ、シェイクスピア俳優フレデリック(ピエール・ブラッスール)、強盗殺人文筆家ラスネール(マルセル・エラン)などは実在の人物がモデルとなっているそうで、古着商ジェリコを狂言回しにした物語は一語一語が非常に練られた修辞的会話が特徴的だ。劇中劇以外の部分では格調高い会話を味わい、少々頭が疲れてきたらバチストの優雅なパントマイムを堪能する。本作品を高く評価する人は、きっとそんな映画の楽しみ方ができる上級者にちがいない。