子猫が読む乱暴者日記 (河出文庫)
初めての中原昌也だった。おもろいじゃん、つうかかっこいい!!!
この短篇集の意味はないし、語る必要がない。そんなものは全く無意味だから。いかに意味を消し去り、感じることに徹されるか。
中原は小説という芸術にどれだけ死刑宣告を言い渡したのだろうか。
中原昌也は、すばらしく達者な作家で、センスある才能を垣間みることのできる短篇集だということだけ書いておきます。そして、人間がそもそも絶望そのものなのだと教えてくれる作品です。
ワイルド・エンジェル [DVD]
祝DVD!イージー・ライダーより古かったのは後になって知りました。
フォンダがかっこいいのはもちろんですが、何といってもナンシー・シナトラでしょう。
超かっこいいです。ただストーリーとか普通の映画がもっているものを求めるのは酷です。
ファッションや勢い、ノリを感じる映画です。音楽PV的に見るのがいいでしょう。
家で字幕なしで流しっぱなしにしてたらそれだけでかっこいいと思いますよ。
ブレストの乱暴者 (河出文庫)
けた外れの湿り気。邪悪な言動。犯罪と交接と官能による糊塗。
同性愛はその最も頑健で最も無艶なコンテクストの中では賞賛さえされる。
このブレストの漠とした錨地から、ジュネは鋭いポエジーを引き出している。魂の絶望、死のオードを。
それはつらく、強く、ひびいています。
乱暴者(あばれもの) [DVD]
マーロン・ブランド演じる"ジョニー"が率いる暴走族が、平和な田舎町に現れ、対立するグループが居合わせて大騒動に発展します。
とにかく若きマーロン・ブランドの魅力が炸裂しています。暴走族のヘッドというカリスマで、もちろん喧嘩が強く権力にも動じないのですが、田舎娘キャシー(メリー・マーフィ)の無垢な魅力に心を動かされたり、不思議な繊細さが見事に出ていて、やはりジェームス・ディーンと並ぶ若きスターだったんだなぁと感じました。
ところで、この作品を見たきっかけは、何とビートルズです。対立する暴走族のヘッド、"チノ"との喧嘩のシーンで、「ジョニー、みんなお前を待ってたぜ、ビートルズも待ってたぜ」というセリフがあって、この映画を見たジョン・レノンが「ビメ?トルズ」をバンド名に選んだという説があるのです。やっと見られました!
乱暴者(あばれもの) [DVD]
バイクの暴走族の映画で、かのマーロン・ブランド主演です。
マーロンの暴走族としてのいでたちがあまりにもカッコイイ、ということで、有名になったみたいです。
私としては、マーロンの大ファンだけれども、彼の魅力は中身と切り離せないので、
この、屈折した暴走族の役は、うーん、魅力的かどうか、は、難しいところでした。
とにかく、現在この映画を見て感じたのは、実際におこった暴走族によるアメリカの田舎町の事件を基にしている物語である、ということですけれども、
こんなに昔から、バイクを乗り回して興奮している若者がいて、今もなお、いるんだ・・・という、なんか、ちょっと、麻薬みたいな魅力があるのかなー、ということと、
この暴走族たちは、どこからお金が出てくるのだろう?結局、泥棒とか、してるのかなー、ということ。
また、アメリカは、暴走族は、そりゃ褒められたものではないけれど、それを押さえようとする大人たちもまた、お粗末で、
また、この映画に出てくるヒロインの女性も矛盾を抱えているし、典型的アメリカの市民はみんな、生きていくために権力に縛られて生きてるんだなー、ということが、
また、この映画でもわかっちゃうなー、というところでした。
こんな現実があるんだ、ということを映画で知らせてくれた、ということでは、さすが、社会派のプロデューサー、スタンリー・クレイマー、と、思います。
この映画について、マーロンは年取ってから、あれは役であって、自分は断じてあんな風ではない、といいました。
でもまあ、一世を風靡してしまうところに、彼の容姿と存在のインパクトのすごさがあったなー、とは思います。
この映画の中で、一番私がぐっと来たのは、町の人にリンチされて命からがら逃げてきた主人公が、横倒しになっていた自分のバイクを起こして逃げようとするときの、
なんていうか、あー・・・という表情です。自分は、一体なにやってんだろう・・・みたいな。
みんな、理屈やメンツを述べる場面の多い、この映画で、一番、真実味がありました。さすが、マーロン、の顔の演技だと思いました。
リー・マービンが憎めない暴走族の役をしていました。