ベスト・ライヴ・セレクション~ザ・ジャーマン・コンサーツ [DVD]
WRの75、78、83年のライヴを収録したもの。今回のポイントは、夫々、bとdrのリズム隊が異なること。具体的には、75年はアルフォンソ・ジョンソンとチェスター・トンプソン、78年は、ジャコ・パストリアスとピーター・アースキン、そして83年がヴィクター・ベイリーとオマー・ハキム。 今回のDVDのポイントは、WRのライブだけあり、元々、演奏力が高いのに加え、異なるリズム隊を、見・聴比べできる所。個人的には、ジャコ在籍時の78年より、若くて、生きの良い83年のライブがお気に入りです。
ただ、一つ注意しないといけないのは、78年のライブは、既に、フォアキャストトゥモーローに収録されているものと、同一であること。なので、フォアキャストをお持ちの方は、78年のDVDが重なってしまうことに注意が必要です(私は、フォアキャストを手放しました)。
それ以外は、元々の演奏力が高い上に、リズム隊が比較できるということで、WRファンにはMUSTのアイテムと言えるでしょう。
JOE ZAWINUL on the creative process―ウェザー・リポートの真実
面白いのは、著者が3回もザビヌルから怒られたことを暴露。ショックだったのは、ザビヌルの音楽作曲法だ。インプロヴァイズを重要視する彼の曲作り・・これ以上は言えない。 その深遠な意味とブルースの解釈、マイルスやジャコ、ショーター等との関係、もちろんウェザー・リポートのことも、等々・・ジョー・ザビヌルの全てがこの本には書かれているようだ。掲載楽譜も自筆が殆どだから読みづらいのは当然だがかなりの量である。まったく著者の音楽への探究心には脱帽である。
ウェザー・リポート
リリース当時から評価の高い作品ですが、今(2012/08)、改めて聴いてみても、いささかも色あせていません。
逆にザビヌル氏亡き後も、その輝きは増しているのではとも思えます。
アルバム全体に流れているのは、(私のイメージとしては)群青と青白い光。
ジャケットデザインも正にドンピシャでそのサウンドを現しているといってよいでしょう。
WRの全アルバムを今、聴きなおしてみると、大変興味深い発見がそこかしこに見受けられます。
この自らのグループ名を冠したデビューアルバムでも、それは多く見受けられます。
一貫しているのは、音による空間表現とファンクビート。
この作品がファンキーだとは言いませんが、そのルーツは見受けられます。
ライヴ・アット・モントルー 1976 [DVD]
言うまでもなく70年代ジャズ/フュージョンシーンを牽引したスーパーグループ「Weather Report」が1976年7月8日、モントルー・ジャズフェスティバルに出演した模様を完全収録。参加メンバーは、Alex Acuna(Ds)、Manolo Badrena(Per)、Jaco Pastorius(B)、Wayne Shorter(Sax)、Joe Zawinul(key)という黄金期のメンバーです。
そもそもは地元スイスのテレビ局が番組用に収録し、以前WOWOWで何度か放映されたのですでにご覧になった方も多いかと思われます。いまの時代でいう「高画質」にはほど遠い出来ばえですが、逆にかえって生々しい迫力が伝わってきます。それでも70年代中盤の撮影技術を考慮すれば、優に合格点をあげられるのではないでしょうか。カメラワークもなかなかですし(他のミュージシャンのライブ映像も観ましたが、けっこうツボがわかっているカメラマンです)、何よりもDVDという安心感は抜群です。
収録時間は約70分間、演奏曲のほとんどは「ブラック・マーケーット」から。作り込まれたスタジオ盤とは違った生のグルーヴ感とメンバーそれぞれの閃きとほとばしるアイディアの数々が随所に光っています。御体ザヴィヌルやショーターの若々しい姿に驚くとともに、やはりどうしても感慨深いのが亡きジャコパスの生のプレイ。ベテラン2人に対して決して臆することなく、素晴らしいインプロヴィゼーションでわたり合う彼の姿を見ていると、やはり時代の流れの残酷さを感じてしまい、つい感傷的になってしまいます。もちろんそんなセンチな感情を抜きにしても、ファンにとっては必見の映像だと断言できます。
それにしてもこの時期のモントルー・ジャズフェスティバルの映像はたくさん眠っているわけで、我こそは!というメーカーはドンドンとDVD化してほしいものです。