工作の時代―「子供の科学」で大人になった (INAX BOOKLET)
かつて子供の科学誌に掲載された記事を元に再現された作品が掲載されています。子供の科学誌も時代と共に内容が変化しておりかつては蒸気エンジン等の比較的読者層には困難な製作記事もありましたが逆に困難であるからこそ製作意欲を掻き立てられたのではないでしょうか。そのような時代の雰囲気が伝わってきます。
廃線都電路線案内図
サブタイトルは「人も街も懸命だったあの頃」。例の漫画&映画の便乗企画っぽくもあるが、国土地理院の地形図の旧図などとも違う、こういった地図の復刻は好事家には非常にありがたい。また、廃線跡や「昭和」についての本は数多あれど、これは読まずとも広げて単に「眺める」だけで楽しい。その意義も大きい。
体裁はよくある「1枚の地図が折りたたまれて厚紙ケースに収納され、『○○県』『△△市』と銘打たれている」地図の体裁。表は「廃線都電路線案内図」として最近の地図(レインボーブリッジやりんかい線まで載ってる)の上にかつての都電の路線を重ねたもの、裏は「最新東京大全図」という昭和36年発行の東京の地図をそのまま復刻してある。また、各系統や車輌の解説を載せたパンフレットが別冊の形で同梱されている。
路面電車パーフェクトガイド―18事業者の全車両形式、全系統を徹底紹介 (NEKO MOOK 1660)
この所、路面電車関係の本が相次いで出て来ている。
まずは路面鉄道のシステム全体の研究色の強いピクトリアルの2001年8月増刊号、
一方、ネコパブリッシングからこの夏発売されたのが「路面電車パーフェクトガイド」。サブタイトルに「18事業者の全車両形式、全系統を徹底紹介」とあるように、車両メインである。系統については系統図があるのもの大したものではない。本書は後半では話が模型に進むので、前半の実物記事は車両のプロトタイプ解説といった視点が多く、車両の大きなカラー写真をふんだんに使っている。モデラーも実物の細部や色合いが十分確認できるというわけだ。
プラスアルファ的な記事として、鉄道アイドル伊藤桃が行く広電の旅。実は堂々巻頭を飾っているので実はこれが本書のメインなのかも?
ちょっと気になったのが、ピクトリアル増刊号は19事業者、こちらは18事業者となっていること。比べてみるとネコパブは京阪大津線を載せていない。イカロス出版の日本路面電車ガイド2010-2011では21社となっており、ピクの19社にさらに江ノ電と筑豊電鉄を加えている。路面電車の解釈に出版社によって幅があるらしい。
レビューが脱線したが、本書は車両の大きなカラー写真が多く、車両好き・モデラー向きといえよう。