自然連祷―加藤幸子短篇集
短編集。
蜻蛉秘画
海辺暮らし
カモメの落ちた日
シビルになりたい
ダイバ紀行
ヒマラヤン メイル
亀の島の亀の石
コアセルベートの海
雪売り屋
海辺暮らしが,平成23年のセンター試験の国語で出題。
ラバーズクラシック
結婚式で使える音楽を探していて偶然見つけました。クラシック音楽を今まで無意識に聴いていましたが、改めてみると愛の表現で使われている事って多いですよね。気が付かされました。
加藤鷹とのコラボも賛否両論だとは思いますが、AV以外の加藤鷹の活躍もあって、彼だからこそ出来る表現のひとつだとも思いました。
クラシック初心者の私にはとても分かりやすいコンセプトで、愛のクラシックって素敵だなって思いました。
心ヲナクセ体ヲ残セ (角川文庫)
「主人公のいない場所」という題にまとめられた短編集は、いっぺんが4ページほどのとても短いものが24編。短いながら、生がずっしりと重たい。どこかしら、理不尽で、不条理で、死の臭いがはしばしに漂う。本来、生は常に死を傍らにするものだということを思い出さされる。
「渡鶴詩」「雀遺文」「アズマヤの情事」「ジーンとともに」の中編は、私にもぐっと読みやすいものであり、物語に引き込まれた。
人間が発展の名の下に自然破壊を進める時代の野性に生きる不条理や理不尽は、「渡鶴詩」や「ジーンとともに」で痛切にあらわされる。
しかし、「雀遺文」でも「アズマヤの情事」でも、理性という壊れた本能ではどうにも得心できぬ、あの燃え立つ衝動、自分の中にあるもう一人の自分の声を聞かされることでは共通である。この「雀遺文」が私は好きだ。
確かに単なる擬人化ではない。その上、単なる自然観察報告でもない。人間とはまったく異なる肉体を持ち、精神を持つ存在としての鳥。その異なるという感覚がクリアに体験されるような、不思議な文章だった。
2008年、誰かニジドリを見ただろうか。
飢餓海峡 [DVD]
重厚な映画とはこの作品のことをいうのでしょう。しかし、肩も凝らず、
長時間緊迫感を保って決して飽きさせません。後年カラーの松本清張作品や
市川昆の横溝正史作品が流行しますが、その映画としての原点は此処に
あります。永遠に旧さを感じさせない、日本映画の金字塔だと思います。