GOLDEN☆BEST
「異邦人」は、多くの方が認める時代を超えた名曲ですが、「サウダーデ」の存在を知らなかった私にとっては、ポルトガル録音のもう一つの「異邦人」を聞いた時は鳥肌が立つ程、興奮し感動しました。また久々に聞いた「夢語り」や「天界」などの彼女の初期のアルバムに収録されていた曲は私を学生時代へとタイムスリップさせてくれました。特に「葡萄樹の娘」は、アレンジがとても凝っていたことを発見させられました。古い順番に曲が収められているこのアルバムは、エキゾチックで幻想的な時代から大人の女性へと変貌し、なおかつもヨーロッパ志向へと変わっていったことがよく分かります。
DREAM PRICE 1000 久保田早紀 異邦人
1000円という値段に騙されてうっかり買って何気なく聴いておもむろに腰を抜かして下さい。その声は半端でなく美しいです。ジャケットの長辺が12cmしかない昨今の便利さえ恨めしく思えるほどの容貌です。そしてこれほどもてはやされておきながら流行を追うことなく自分の音楽のルーツを探し続け、最近は神の賛美に至っています。求道者と呼ぶにはあまりに華麗な、彼女は誠に希有な存在です。
夢がたり
このアルバムを貫いているテーマは「魂の遍歴」と言ったところか。
誰もが持っている自分は何者?といった感覚、そして異邦人として異国をさすらい、
そしてたどり着いたのは何処?
大ヒット作の「異邦人」ですらこのアルバムでは物語の一部にすぎないようだ。
「帰郷」で歌われているように「大人の目」をして帰ってこれるのか?
「ナルシス」のような廊下の暗がりは私の記憶にもあったかもしれない、そう今はもう
お前よりずっと年上なのだ。
「星空の少年」なんと美しい曲であることか。
どの曲も自分を幻想の旅にいざない、何度聴いても鳥肌が立つような曲ばかりである。
こーゆーのを「アルバム」と言うんですね。
単に1発屋のまぐれ当たり、と思い込んでいるアナタ!ちゃんと聴いてみてから評価するよーに!!