春一番ライヴ 72
1960年代後半から1980年にかけての日本のフォーク・ムーブメントで大きなものはいくつかあるが、その中での全日本フォークジャンボリーはいろいろな意味で大きいものであり、始まりであり、終わりだった。その後のフォーク・ロックはそれぞれの想いで展開していくのだが、1971年に始まり毎年開催の『春一番コンサート』と1974年に開催された『HoBo's Concert』は意味を持っていた評価される二つだ。いずれもコンサートのライブ盤がベルウッド・レコードから市販され、そのコンサートに足を運べなかった不幸な私にも、その一部を体験できた。
『HoBo's Concert』はヴィヴィッド・レコードからCDで復刻されたものの、残念ながら現在は入手できない。『春一番コンサート』は第2回の72年から79年までをCDで聴くことができる。この時代の復刻盤は予定数を販売すると品切れ・廃盤となってしまいがち。入手可能なうちにそろえておきたいシリーズだ。
現代の若者が春一番の時代をどのように評価するのか興味深い。決して商業ベースに乗らなかった時代の「うた」が、活き活きとした表情と、あふれんばかりのエネルギーをもって、当時の若者を繋ぎ、エネルギーの共有をつくっていた。このCDのシリーズはこの時代のそんな状況をよく伝えている。
72年のライブ盤は当初2枚組みLPで72年8月に発売され、その後1枚物に編集され75年8月に発売された。本CDは、ジャケットデザインこそ75年版だが、オリジナルの全18曲が収録されている。
春一番
「春一番」というアルバムタイトルにふさわしく春らしい明るい曲が多く、メロディーもキャッチーなので、初めて聴く人でもすぐにメロディーを覚えられます。
1曲目の「恋はふわふわ」がいきなりの王道のアイドルソングで、明るく楽しそうに歌う3人の顔が浮かんで来るようです。「恋のあやつり人形」「ペーパー・プレイン・ラヴ」なども非常にキャッチーな曲で、特に「ペーパー・プレイン・ラヴ」はランのメインボーカルとスー、ミキのコーラスが非常に良く、良質なポップ・ソングという感じです。
「朝のひとりごと」は一転してしっとりとした大人っぽいバラードで、ミキがボーカルを取ってます。休日の朝に、紅茶でも飲みながら聴きたい曲です。自分的にはこの曲は春というよりは夏の朝の感じがしますが。
そして最後の「ラッキー・チャンスを逃さないで」。これは、かつてテレビ朝日(当時はNETテレビ)で放送されていた「プロポーズ大作戦」という番組のテーマ曲として使われていたもので、この番組を見ていた人ならば、イントロを聴いた瞬間に当時にタイムスリップすること間違いなしです。
このアルバムは、全体的に非常に楽しんで聴けるアルバムで、70年代のアイドル・ポップを満喫できるものとなっています。キャンディーズのオリジナルアルバムの中でもベスト3に入る、聴いて損のないアルバムです。
CANDIES FOREVER [DVD]
先日、田中好子さんが亡くなられたのをきっかけに購入しました。
先日のキャンディーズの映像を中心にした追悼番組では解散コンサートを中心に放送されると聞いていたので、本DVDをそのまま流すのかと思いましたが「TBSの秘蔵VTR」という言葉を強調していた意味がよくわかりました。
本DVDに収録されずTV放送された曲は、スーちゃんMCつきの「あなたに夢中」「哀愁のシンフォニー」「わな」。それに加えて放送された曲の多くはイントロがしっかり入っていました。
DVDはMCが中判ほとんどカット。各曲ノンストップです。他のレビュアーも仰るとおり、編集が下手です。
先日のTV放送は、MCが多くて嬉しかったのですが、何より驚いたのはDVDと先日TV放送されたものは曲が同じでもカメラワークが違う事です。
という訳で、完全版を望むことに加えて、マルチスクリーンなど、気を配ったバージョン違いの商品を発売してもらうことがファンにとって最高のリクエストになりました。
フィルム・コンサート用に撮影された部分もきっとTV用に保存してあるかと思うと、仮にニューバージョンのDVDが発売されたとしても、このDVD、これはこれで貴重なものになるかと思います。
新しく商品が発売されない現時点では本商品の購入価値は十分あります。
とても楽しく観賞できます。
吉宗評判記 暴れん坊将軍 第一部 傑作選 BOX [DVD]
初期のものは抜群にイイですね。当時流行った「水戸黄門」や「江戸を斬る」同様に、教養番組でもあったし、ある意味、型にはまったストーリーではあったが、それはそれでよく出来た作品だった。主人公の吉宗もスマートでカッコ良く、松平さんの太刀さばきも天下一品。西郷輝彦や里見浩太郎と並ぶ見事さでした。それを取り巻く脇役達も素晴らしく、見事なストーリー展開です。本当に良い時代劇を観たい人なら、この時代の作品を観るべきです。