Quojuz 1 (ビッグコミックス)
主人公は福祉の専門学校に通うため上京し、数年来無沙汰の父の家に。
しかしそこに待っていたのは、血の繋がった(初対面の、というか存在を初めて知ったらしき)三人の美しき姉たちだった。
バツイチになりかけだが文化人的には大成功中の小説家であるところの長女あやめさん(25)。
男性経験なしの理科教師、クロロホルムで意中の男性を昏倒させるよりほかに出会いの方法を思い付かない次女かえでさん(23)。
風呂からあがったところをメイド服でバスタオルを持って待ち受けていたりするコスプレと奇矯な言動担当の三女すももさん(20)。
三人三様のキャラクターは全方位をカバーしてアリの這い出る隙もない。四人目には普通の娘を配置して保険とする(想像)念のいりよう。
これが、主人公に夜昼無く襲いかかってくる。
うーん、手強い。
そして、楽しい。
・・・とりあえず私は次女のかえでさんでお願いします・・・メガネなんだもん。
花園メリーゴーランド 1 (ビッグコミックス)
柏木ハルコ作品は「いぬ」から短編も含めて全作読んでいますが、これが柏木ハルコの最高傑作です。
赤松啓介的な民俗観に基づいて作られた、'80年代の地方の農村が舞台の話です。
地方の「村」では、男女を問わず12,3歳になると、「性」の手ほどきを上の者から受ける習慣がありました。
このような風習は「送り火」など、いろんな呼び方がありましたが、地方では「夜這い」も含めて、昭和の時代にはまだこれらの風習が残っている地方の農村がありました。
このマンガで描かれている内容は、まんざら嘘ではありません。
民俗学的見地からも、とても面白い話に出来上がっています。
柤ヶ沢も澄子も、素晴らしく夢の世界、夢の少女になっている。
当初、柏木ハルコ作品の「エロさ」を求めて読み始めましたが、少年時代の憧憬足りうる澄子と、つげ義春的な昭和時代の匂い溢れる柤ヶ沢、さらに「送り火」、「夜這い」とミックスされ、柏木作品の最高傑作に昇華されています。
愛・水族館―柏木ハルコ短編集 (ビッグコミックス)
柏木ハルコと言う人の描く女の人が好きで、そのほとんどの作品(但し長編)を読んできました。
柏木ハルコに描かれる女の人は、まずその外見がいい。コケティッシュでありながら、セクシー
で迫力あるボディーライン。だいたいが圧倒的な存在感なんだけど、その理由のほとんどが、そ
こに描かれる身体、と言う感じ。ある意味、そこがいかにも漫画らしくって、私は好きです。
内田春菊の描く女性も、とってもかわいくって、素敵で、エッチ。柏木ハルコの場合、そこにプ
ラス、圧倒される迫力を感じて、より現代風です。
さて、本作は短編集。描かれた時期も、初出の雑誌も違うから、9編の作品は、多少玉石混交な
部分があります。それを含めて、多彩な面白さが味わえる。
もともとブラブラバンバンのような学園モノに強みがあったような気がしますから、本作でもい
くつかある、高校や学生を扱ったものがかなり強烈で面白い。
一方SFは、今スピリッツに連載中の「地平線でダンス」を珍しがって読んでいるけど、本作に
収録されたものに既にかなりおもしろ作品がある事を知った。これが今の連載に続いているんだ
なぁと、興味深く、作品としてもとても良くできているものだった。
かわいくって、セクシーで、どこか抜けているたくさんの女の子を、いろんなシーンに描きわけ
ている本作は、柏木ハルコの多彩な長編のダイジェスト濃縮版のようで楽しめました。
も~れつバンビ(5) <完> (ヤングマガジンコミックス)
何故柏木さんの作品は5巻ぐらいで完結するのが多いのでしょうか?このバンビも終わらせ方に無理があったように感じます。やっぱり打ち切りなのかなぁ?話は面白かったけどエンディングに納得いかなかったのでこの採点です。