悪女 [DVD]
原作も未読で初見DVDです。
まずパッケージからして毒々しくて
欲に駆られた人間の愛憎劇や殺人劇が
あるのかと思ってしまったのですが、
激しい時代の流れに強くたくましく
立ち向かっていく女性を描いた作品だと思います。
(なんでこんな邦名にしたのでしょうか?)
確かに彼女がからむと派手になりがちですが
そこまで極悪非道ではありませんし
女が一人では生きていけない時代に
男に擦り寄って金を搾り取り贅沢に溺れる。
天狗になる女性が悪女の一種だと思いますが
主人公のベッキーは少し違うと思います。
撮影セットや小道具がしっかり作りこまれていて
映画を見ている間現実世界に戻されることは
ありませんので時間のある時にゆっくり観る事を
オススメします。
当時流行りのOLドラマですが、石田ひかり演じるマリリンがとにかく前向きで元気がでます。
当時まだ新人女優の石田ひかりを主演にしたにも関わらす視聴率良かったのも納得の内容。
DVD化して欲しい人結構いると思うんだけどな〜。
自分はビデオ録画したのを毎年1度は見返してますが…
寒水魚
10年に一度大ヒット曲が出ている彼女の80年代のピーク時のアルバム。
ジャケットの美しさも定評がある。
*「悪女」
彼女のヒット作の中でも5本の指に入る知名度を誇る。
シングル版のアコースティックな雰囲気とは違い、
ちょっと重めの響きのするロックバージョン。
うまくまとまっているし、サウンドの重さに反して気持ち的には軽快。
*「鳥になって」
ストリングスだけのバックが優しく、個人的にもよく聴く曲の一つ。
「歌暦」の中にギターの弾き語りのライブ版が入っていて、
そちらの方が曲調にはあっているが、こちらも癒やし系路線。
*「捨てるほどの愛でいいから」
当時の彼女の雰囲気がよく出ている名曲。自制的であきらめの雰囲気が切ない。
ただ、今となってはあまりに感傷的過ぎるきらいはある。
*「時刻表」
力なさげに歌われているわりには社会的な内容のもの。
ある意味、厳しい社会の中で生活する者に対する応援歌で、
個人的に大好きな曲のうちの一つ。
*「歌姫」
このアルバムのなんと言っても最高傑作。
少し長い曲ではあるが、当時の彼女の一番彼女らしさが出た曲だと思う。
「嘆く女」だけではなく、他者を受けとめる母性を感じさせる最初の曲。
穏やかな気分の癒し系応援歌。
カラオケで歌うと、(長くて人には少し迷惑だけど)とっても気持ちがいい。
大人っぽいメロウな感じが出た「B.G.M.」は、
コード進行がユニークでとてもいい感じだし、
「夜会」で星空をバックに歌っていたのが印象的だった「砂の船」も、
おとぎ話的で、暗い曲ではあるがとてもきれい。
彼女のファンになった頃はまだ若くてピンとこなかったけど、
40を越えた今となると「傾斜」の歌詞の内容は、
まるで自分のことのようで、ちょっと怖い。
現在の中島みゆきを思って買うと、
あまりにか細い彼女の歌に驚かれることだろうと思うが、
今でも古さをあまり感じさせない響きはすばらしいと思う。
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
富小路公子という、一代で財を成した女性実業家が飛び降り自殺した。その原因を探るべく、彼女を知る人々に雑誌記者がインタビューを試みる。この小説は、インタビューを受けた人たちが記者の質問に答えるのを一人語りで再現した形をとっていて、オーソン・ウェルズの映画「市民ケーン」を思わせる。何より、年齢も背景も違う関係者たちの話し方をすべて書き分けているのがすごい。殊に、麻雀好き、ホスト好きの宮家の女性の章は抱腹絶倒もの。宮部みゆきの「理由」も関係者たちの証言で綴る構成をとっていたが、話し方はどれも似ていて、有吉佐和子の芸には及ばなかった。読み進むにつれて自殺の原因が明らかになってくるスリルはミステリーとして一級品だと思う。豪華スターを配したテレビドラマ版もよく!出来ていた。著者の代表作に数えてよいのではないか。
悪女入門 ファム・ファタル恋愛論 (講談社現代新書)
いろんなタイプの悪女を知ることが出来る。非常に面白く読めた。届いた本は、装丁が違うモノでがっかりした。スペイン風のイラストが良かったのに・・・。絵のないシンプルな装丁ではこの本の価値が半減した気がします。